盛岡食いしん爺日記
<音楽が流れます、音量に注意>
<戸塚珈琲店>
Moon River by Audrey Hepburn
盛岡市の官庁街の中で存在感のある岩手県庁。
裏手の道路を挟んで岩手医大の附属病院があった。
移転したが、今もメディカルセンターとして多くの人が通う。
その隣に「戸塚珈琲店」。
先日、ある方が、
「戸塚珈琲店って、知ってます?」
「珈琲、それにチーズケーキがとても美味しいんです!」
行ってみてくださいと熱く語っていた。
開店後に行ったきりだった。
今日の午後の軽い打合せは戸塚珈琲店にした。
店の前でバッタリ。
中のテーブルの配置が少し違うような気がした。
向かいに県庁、隣にメディカルセンターが見える。
もうだいぶ前、母が入院。
当時、職場が近くで夕方、顔を見に通った。
「お父さんも、あそこで遅くまで働いてたんだね~」
「昨日も夜遅まで明るかった」と話していた。
いったい何時に眠っていたのだろう。
手遅れの状態で、ひと月ほどで退院。
家では連日、見たことのない優しい顔をしていた。
冬に再度入院して母は旅だった。
時が流れ、今では父と母の言い争いを思い出しては苦笑い。
2年半前、今度は自分がメディカルセンターで検査。
移転先の矢巾町の真新しく巨大な病院に入院した。
この夏に3年後の経過検査を受けるが、すこぶる元気だ。
「ミモザですね。」と一緒の人が言う。
店のあちこちにミモザ。
スケジュール調整も終わって少しゆっくり。
一緒の人はトーストとミルクティ。
「こんがり、ふんわりで美味しい~」
「ミルクティ、いい香り~」
ひと口飲んで、
「とってもスパイシー!」
「色んな味がして初めての味だなあ」
眼がまんまるだ。
2021年6月開店の戸塚珈琲店。
厳しい中で頑張ってきた。
テーブルを窓際に置きカウンターのように並べ一席ごとに仕切られていた。
メニューの始めに店主の言葉。
深煎りで「初めの香り」「中味」「飲み終わる頃の余韻」と、
豆の個性を活かした表現を目指しているなどと書いてあった。
最後に「その日、その時の最高の一杯、最高のひと皿を提供させていただきます。」
と締めくくられていた。
紙は古くなったが、言葉は活き活き。
名前に惹かれ「漆黒ブレンド」。
興味津々のひと口め。
苦味がきたと思ったら、酸味と甘味が湧いてくる。
飲んだ後、喉に余韻が残った。
味わい深い珈琲で好きな味。
話に聞いていたチーズケーキ。
ひと口で蘇った記憶。
あの時も食べた!
濃厚ながら爽やかな味。
こんな時、ブログは便利。
「敷いてあるココアのクッキー仕立てのような感じもいい。」
などと書いてあった。
あの時より、さらに美味しく感じた。
帰りがけに奥さんが言った。
「前にも、いらしてませんでしたか?」
「はい」
「確か開店して間もなく」
そう言えば、薦めてくれた人が話していた。
「お客さん思いの、感じのいい夫婦なんです」