古澤巌 ノクターン/ショパン~ミルシティン編
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また仕事が立て込んできた。
ほっとしたのは1週間ほど。
11月下旬、
岩手山は雪を纏い出し、
いよいよ神々しい。
午前中、ぼお~っと過ごしてしまう。
まずはランチして気分を変えよう。
そうだ、先日予約でいっぱいだった「重兵衛」に行ってみよう。
美しい鮨が頭の中に浮び、鮮明になってくる。
食べる事になると、
いつの間にか湧き上がるアドレナリン。
カウンターに先客が二組いたが、
今日は食べられる。
嬉しいことに名店「重兵衛」の鮨がランチで1,200円。
店の味を知って欲しいと始めたそうだ。
頼んで、待つ間にネタの美しさに見惚れ、
次は二代目の手元に釘付け。
包丁の動きに無駄がない。
「見ていて飽きないんです」と呟くように言った。
すると他のお客さんも深く頷き話し出す。
「無駄がなく流れるようだわ」と一人が言った。
二代目も微笑む。
若い職人さんもきりりとしたいい顔つき。
仕事ぶりも板についている。
二代目は彼らの仕事にも自然に目配りしている様だ。
出来上がるまでの時間も楽しい。
ランチの鮨には小皿と汁椀もついてくる。
置かれた鮨を角度を変えて見る。
どこから見ても美味しそう~
サーモンは、身の締りもよく、
丁度いい脂ののり具合。
口に残る甘味。
思わず聞いた。
「どこのサーモンですか?」
チリ産だという。
どのネタももっと食べたくなる。
玉子焼きは、出汁が卵を包んでいる感じで美味しい。
十兵衛のランチの鮨で十分満足のはずが、
つい茶碗蒸しと天婦羅も頼んでしまった~
茶碗蒸しは、具が仲良く一つにまとまっていた。
天ぷらは、野菜のほかにエビかにと白子。
言う事なし。
大好きな巻物のかんぴょう。
完璧だなあ~
残しておいた小肌。
海の中を悠々と泳いでいる様だ。(笑)
綺麗だ。
さっさと握る二回転半。
酢の効き具合がいい感じ。
すしめしと一体となって美味しい!
「たぶん、昆布巻きして酢を柔らかくしているのかな?」
などと勝手な想像が膨らむ。
それだけでも楽しい。
苦手だった光物を好きにさせてくれた店の一つ。
食べ終わって皿の上には一粒の米も零れていない。
見ていたかどうかは知らないが、
カウンターの奥に座っていた方も、
小肌を追加した。
お茶を飲みながら二代目と色々と話した。
今年の米栂(こめつが)松茸の事や鮨の事。
それに、とても弟子たちの事を大切に思っている様だった。
時々、ほかのお客さんも聴き入っていた。
カウンターの距離が少し狭くなった気がした。
結局、ランチの鮨のほかにも追加。
満足に「大」がついた。
仕事部屋に向かいながら、
一気に片付く幻想。
さて、熱が冷めないうちにパソコンに向かうとしよう。
鮨懐石 重兵衛
盛岡市長田町14-2