Joe Hisaishi : Studio Ghibli Experience, Part 1
盛岡は雲が多いものの、晴れ。
10時半、岩手山と北上川を見て花巻へ出発。
旭橋を渡り、
雫石川の盛南大橋を渡る。
川の向こうは新しい街。
よそでも見かけるロードサイドの看板が並ぶ。
空が広い。
久し振りに東北自動車道を走った。
盛岡南インターから花巻南まで、20分ほど。
高速をおりて花巻の街へ。
昔々、駅から花巻温泉と鉛温泉に向かう電車が走っていた。
「馬面電車」と呼ばれていた。
座ると向かいの人と膝がすり合う感じ。
昔の花巻は電車も走り、とても賑わっていた。
市役所の向かいの「ひゃっこ坂」を下る。
中ほどに旧橋本家別邸「茶寮かだん」。
この緑の瓦も珍しく貴重らしい。
庭を覗くと、花壇の雪はだいぶ溶け、花が咲くのも遠くない。
この花壇は宮沢賢治設計。
ほぼ原形をとどめているのは、ほかに聞いたことがない。
仕切りの煉瓦、これがいい。
玄関で一ノ倉さんご夫妻の歓迎を受ける。
今日は、ここで打合せ。
入って直ぐの洋間を覗いた。
ここに賢治の妹クニさんが弾いていたというオルガンがある。
丁寧に保存され、ここに落ち着いた。
和室で打合せ。
あと一人で顔が揃う。
その間、雛壇の方へ。
ずらりと並ぶ花巻人形。
隣に宮沢賢治の妹、トシ(とし子)さんゆかりのお雛様。
このお雛様が飾られた場所を訪れたトシさんが遊んでいたという。
きっと幼い頃、兄妹で桃の節句を楽しんだのだろう。
その頃の小皿も。
旧橋本家別邸は、一ノ倉さんの手で蘇った。
趣が異なる各部屋は当時の技と贅を尽くしている。
窓の桟、ガラス、障子など一つひとつに見惚れる。
ランチしながら打合せ。
今日は新しい人も加わり、新鮮な空気感。
サンドイッチに目がいく。
自然光に映えて綺麗だ。
落ち着く空間で美味しい物。
楽しく進む打合せ。
雑談の花も次々に咲く。
そこにもヒントがあり、企画も膨らむ。
後味のよい食後の珈琲が、さらに発想を豊かに。
ゆったりと座り、思いついたままに語る。
纏める人も笑みが絶えない。
だいぶ時間も流れ、今日の打合せを閉じた。
それぞれ忙しい。
私も盛岡へ。
立ち上がり廊下へ。
時々、花壇を見に賢治はやって来て、この縁側でお茶を飲んだらしい。
次の予定は19時。
余裕がある帰り道は高速にのらず西寄りの道を走った。
時折、車を停めて広い空を眺めた。
東に秀峰早池峰山が顔を出した。
ゆっくりの帰り道は、いい。
望遠で覗くと、霊験あらたかな山に見えた。
賢治さん、どうして桃の節句の頃の山並みは群青なのでしょう?
どうして争いは、なくならないのでしょう?