Art Blakey & the Jazz Messengers - Moanin'
<音楽が流れます、音量に注意>
そろそろ、高松の池から白鳥が飛び立つ頃。
行ってみた。
水面は陽光に輝く。
この眩しさは久し振り。
白に覆われていた池は、もう半分青い。
一気に春の兆し。
まだ残っている白鳥たち。
多くの人が来ていた。
これでは暖かい陽射しは苦手だろう。
思っていたよりずっと逞しい。
長旅に耐える身体なんだなあ~
触りたくなる羽毛。
微笑んでいるような若い白鳥。
頭の辺りに残っているグレイも、もうすぐ真っ白になるだろう。
ほかの水鳥たちも心地よさそうだ。
緩んだ氷の上で、身づくろいに余念がない。
気がつけば、待ち合わせの3時も近い。
日影の風は、まだ冷たく、温かい珈琲が恋しくなった。
上田の通りのNAGASAWA COFFEEへ。
昔、小さな手を引いて高松の池にまで来た。
今にして想えば、遠くまで来たものだ。
その子も、だんだん制服を着るようになり、
卒業すると盛岡を出て、今は東京暮らしも長い。
自分の十代の頃は果てしなく歩いた。
まるで遥か彼方の未来へ向かうように。
東京駅から新宿辺りまで歩いたりもした。
今の若い人は、どうなんだろう。
NAGASAWA COFFEEに着くと、待ち合わせの相手は来ていた。
お洒落な空間に、こだわりの焙煎機が存在感を放っている。
彼は、ピーカンナッツのキャラメルタルトとコロンビアのセット。
この組み合わせ、美味しそう。
私は、NCチーズケーキと限定のゲイシャ。
「コロンビア エルパライソ ゲイシャ レティ」
1000円で飲めるのは嬉しい。
詳しくはないが、ゲイシャは格別。
独特の風味があり、
喉越しもよく、
冷めるとまた違う味になる気がした。
イチゴが添えられたチーズケーキも美味しい。
「ひとりでも多くの人にコーヒーを楽しんでもらいたい。」が店のコンセプト。
新しい仕事の話は、簡単に意見が一致。
後は雑談になり、彼が言う。
「2、3年前に世界的なコーヒーメディアSPRUDGE(スプラッジ)というのがあって、
コーヒーを通じ、世界を変えている20人にオーナーが選出されたらしいですよ。」
なるほど、珈琲に対する情熱はかなり凄いんだ。
話も終わり、レジの前に立つと目の前に美味しそうなスコーン。
2人は、食いしん坊と食いしん爺。
買わずにはいられない。
その夜、家に帰る途中、鳴き声がして夜空を見上げた。
街の上空をV字の編隊が、力強く北へ。
渡り鳥たちは、世界の空を自由に飛ぶ。
どうして人間は空を奪い合い、不自由にしてしまうのだろう。
NAGASAWA COFFEE
岩手県盛岡市上田1丁目11-23