André Gagnon - Nocturne
<音楽が流れます、音量に注意>
消しゴムはんこ作家のはたけださんと花巻を回った。
夏のイベントの後、展示品の回収やお世話になった場所に挨拶。
待合わせは盛岡と花巻の中間の紫波町。
相変わらず爽やかに現れた。
始めに花巻市東和町の「こなひきのゴーシュ」へ。
棚田の上の白い家はジブリの世界の入り口のようだ。
四季を通じて立ち寄るが、
パンが売り切れていても、建物と棚田を見るだけで心が穏やかになる。
11時過ぎ。
「おっ!まだパンがありそうだ。」
入り口の近くのカリンの木は、すっかり葉を落としていた。
たくさんの実から香り立つ。
出迎えてくれた奥さんと話しながらも、まずパンを買わねば。
忙しい合間に顔を出しくれたオーナー。
ご夫妻の顔を見て元気をもらう。
前のお客さんもたくさんパンを買い込んで、なにやら近況の話。
私も作り手の人柄に惹かれる一人だ。
並ぶパンを見ていると、あれこれと欲しくなる。
田舎パンが1個残っていた。
コロナが始まってから、
イートインコーナーは、閉まったまま。
でも、眺めるだけで心躍る。
「いつ見ても、素敵な空間ですね~」と言うと、
「そうですか~」と奥さん。
見慣れているから、当たり前になっているのだろう。
早く、ここに座って美味しいパンを食べたい。
数年前、棚田を眺めながら、
広い窓からの陽射しを受けてパンを食べた日を思い出した。
心が満たされたランチになったっけ。
先日、花巻のまち散歩マガジン「マチココ」の取材でもお世話になった。
そろそろ刷り上がる頃。
早く、オーナー夫妻にも見ていただきたい。
パンを買い込んでこなひきのゴーシュを後にした。
次に寄ったのは「茶寮かだん」。
旧橋本邸の別邸。
荒れかけた建物を復活させた一ノ倉夫妻に会いに行った。
いつ来ても素晴らしい建物だ。
ここでランチや珈琲を楽しめるのはちょっとした贅沢。
よくぞ息を吹き返させてくれたと思う。
夫妻の努力の賜物。
来る度、感謝の思いがこみ上げる。
出迎えてくれた一ノ倉さんに言った。
「やっぱり、一番、結霜(けっそう)硝子に惹かれますね~」
両面とも結霜は、珍しいらしい。
見ていて飽きない。
話は尽きないが、奥のギャラリーへ。
ここに、はたけださんの消しゴムはんこの作品や作品集、
盛岡食いしん爺の本も置いていただいている。
置く期間を伸ばしてもらった。
一ノ倉さんは言う。
地元のクリエーターの発表の場として活用してもらい、
色んな人が育っていくことを願っている。
ここの庭の花壇を設計したのが宮沢賢治。
賢治は、縁側に腰かけてお茶を飲みながら庭を眺めていたらしい。
賢治の妹たちのゆかりの雛人形や小皿、オルガンもある。
そんな中のギャラリーに置いてもらってありがたい。
翌日の朝食はこなひきのゴーシュのパン。
全粒粉のパンは、歯切れ感がいい。
薄茶色で甘さが控えめ。
噛めば噛むほど小麦の豊かな味わい。
パンを噛むことが嬉しくなる。
普段の朝食はあまり量を食べないが全部食べてしまった。
これで一日元気に過ごせそうだ。
パン工房こなひきのゴーシュ
〒025-0013 岩手県花巻市幸田第16地割66−9
茶寮かだん
〒025-0075 岩手県花巻市花城町11-12