盛岡食いしん爺日記

<音楽が流れます、音量に注意してください。>

 

 

夕方から「火鍋 姐妹(シスター)」。

身体も元気になった。

その後は、花巻市の繁華街上町(かみちょう)の通りを横切り、

商店街裏の住宅街へ。

ある建物の灯りが見えてくる。

 

 

誰かの素敵な家の入口の様だ。

 

 

 

 

 

 

High Wire · Erroll Garner

 

 

ここは、知る人に案内されなければ、

気になりつつも通り過ぎていくだろう。

「隠れ家Bar」。

 

 

 

 

バー、Nightjar(ナイトジャー)。

謎めいた地下への階段。

突き当たって右へ。

そこにあるドア開ければ、

目の前に広がるナイトジャーの世界。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

不思議な空間が広がる。

 

 

ここは、ただのオリエンタルな雰囲気ではない。

 

17世紀、東インド会社が誕生。

イギリス、オランダ、ポルトガルなどに

中国の文化が届けられた。

陶磁器、漆器など東洋の文化は、

当時のヨーロッパの人々に大きな影響を与えた。

そして、新たな文化を創りあげた。

家具や建築にとどまらず、芸術にも影響を与えた。

「シノワズリ」と言われ流行。

あの「ココ・シャネル」も漆塗りの屏風などを愛用。
詳しくは分からないが、

ヨーロッパで独自のデザインとして創造されたのだろう。

その雰囲気が漂う空間だと自分では思っている。
 

その夜も、チョコレートブラウンの中に。

 

 

 

 

始まりはスープ。

 

 

 

 

その日、カウンターに置かれ小さなカップとソーサー。

「金継ぎですか?」

「はい、知り合いで作ってくださる方がいて」とオーナー。

金継ぎ師という職業もあるらしい。

漆で金粉などを使い割れた陶磁器を継ぐ。

古くからの日本の伝統工芸の一つ。

欠けた物が、蘇って一層、魅力的になる。

金継ぎは、古くなった建物が魔法の様に、

生まれ変わったナイトジャーの世界によく合う。

 

 

 

 

 

 

ノンアルコールも充実。

モクテル、ノンアルのスパークリングワインなどもある。

 

 

 

 

薬膳酒も並ぶ。

一度、飲んでみたいと思っている。

 

 

 

 

 

 

訪れるたびに発見がある。

今まで十数羽のナイトジャーを見つけた。

まだ潜んでいるにちがいない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ナイトジャーとは夜鷹のこと。

花巻といえば宮沢賢治、「よだかの星」が浮かぶ。

教科書にも載っていた。

 

 

薬膳酒を飲んだ人がいて香りだけいただく。

ふと、「聞香(もんこう)」という言葉を思い出した。

「心を傾け、香りを聞く」そんな洒落た風に言ってみたり、

火鍋の美味しかったことを話したり、

話題は自由に果てしなく広がる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その夜の二杯目は珈琲。

私は、そろそろ盛岡へ帰る時間。

いつだったか、

「どうして、こんな素敵な店を作ったの?」と聞いた。

自分が飲んで話して楽しい空間を創りたかった。

とかえってきた。

ゆっくり、気軽に話せる場所。

いつも、自分が花巻にいることを忘れてしまう。

 

 

 

 

 

 

心穏やかになってナイトジャーを後にした。

階段を上るたび、現実界に戻る。

駐車場に着いた。

車を走らせながら思い出した「よだかの星」の一節。

精一杯飛び続けた夜鷹は、

星座の隣にいて天の川の青白いひかりが後ろに。

夜鷹の星は、いつまでも燃え続けた。

最後の文は「今でもまだ燃えています。」

ここだけは覚えている。

今まで、辛く淋しい、悲しい物語だと思っていたが、

なんだか夢や希望に向かう話に思えてきた。


 

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