My Funny Valentine- Garnet Walters Solo Piano
<音楽が流れます、音量に注意>
東京の新宿だったと思う。
学生時代、そば屋に入って壁の品書きを見ていた。
「花巻そば」と書いてある。
一緒に入った友達も岩手の花巻出身。
「なんだろう?」
興味津々で頼んだ。
出て来たのは、そばに色々な物がトッピング。
真ん中にちぎった海苔。
「なんで、これが花巻そば?」
今宵、盛岡は八幡町の「蕎麦将軍」で「花巻そば」。
岩海苔が、どんぶりの表面を覆う。
黒く輝く。
ごぼう天も。
ごぼうの香りといい食感。
岩手の大地と海に感謝したくなる。
そうだ、いつか、かけそばにごぼう天を入れてみよう。
いいかもしれない。
好物の岩海苔。
見ているだけで、たまらない。
勿論、そばも美味しい。
食べていると大将の視線を感じた。
目が合うと「途中でワサビを入れてみて下さい、味変です。」
どれどれ、多めに入れてみた。
「う~ん、さらに美味しい!」
汁が、品のよいお茶漬けの味になった。
彼は、ニコニコしていた。
学生時代、東京で食べた花巻そば。
全く、岩手の花巻とは無関係だった。(笑)
そばに散らした海苔が、磯に咲いた「花」のようだったので、
名付けられたらしい。
蕎麦将軍の大将に言った。
「凄い量ですね!」
自分で、そばに咲く花を考えていたら、
岩海苔に行きついたそうだ。
よく、思いつくものだ。
「新作なんですか?」
「けっこう前から、始めてましたよ。」
そうだったのか・・・
そば湯を飲みながら、ひと息。
店には正月の縁起物の飾り。
今の世の中にも負けず、色んなメニューを考え、頑張る若き大将。
「美味しかった!また来ます。」
いつもの笑顔に送られ、
店を出た。
開店して、すぐ「コロナ」と言う言葉が連日、報道されるようになった。
営業時間の短縮、一時はテイクアウトだけ。
それでも、頑張って新しいメニューに取り組んできた若き大将。
八幡の通りは、歩道は融雪装置で溶けているが、車道はツルツル。
盛岡は雪というより、氷の街。
ふと見上げると、この辺りの光景も、ずいぶん変わったものだ。
また行くのが楽しみな蕎麦将軍。
作り手とのちょっとしたやり取りで、元気をもらう。
さて、こっちも帰ったらもうひと踏ん張り。
残った仕事を片付けよう。
蕎麦将軍
岩手県盛岡市八幡町3-17
☎︎019-677-8515
蕎麦将軍インスタグラム