Alison · Holly Cole
<音楽が流れます、音量に注意>
青空が顔を出したと思ったら、今度は突然の風とともに雨が降る。
予報では、風が強く夜半からは山沿いは雪になるそうだ。
今日は、ランチの後、同級生の集まりがあり花巻に行く。
開催か中止かと紆余曲折があったが、
岩手ではしばらく感染者が出ていないし、ワクチンも2回打っている。
ホテルではソーシャルディスタンスなどの対策。
出席する事に。
盛岡を発つ前にランチ。
たまたま、寺町通りと呼ばれている道を走っていた。
盛岡には二か所、寺院が固まっている場所があり、
寺町通りは本町から北山の方に向かう道の名須川町にある。
多くの寺院が並ぶ一角の「赤喜」の前を通りかけた。
すると前を走る車が店の脇から曲がって奥に入って行く。
「駐車場もあるんだ!」
導かれるように後に続いた。
入口は狭いが、中には数台分のスペースがあった。
歴史を感じさせる店構え。
勝手に「赤喜」は、製麺の店だと思っていた。
食べられなければ、麺でも買って帰ろう。
暖簾を見て思い出した。
「そうか、あの時に食べた『喜六』そばだ!」
「赤喜」と「喜六」の関係も分からないが暖簾を潜ってみよう。
入口に並ぶ乾麺などの奥にテーブルや小上がり。
テーブル席は埋まっていた。
みんな、そばを食べているではないか。
そうか「そば屋」なんだ!
奥の小上がりへ。
中も外観と同じに落ち着いた雰囲気。
「これは、期待できる!」と内心ほくほく。
メニューは至ってシンプル。
温かいか冷たいかを選ぶしかない。
店の人に一つだけ聞かれた。
「大根の絞り汁は大丈夫ですか?」
「好きです」と答え「これは美味しいぞ!」と直感が確信に変わる。
落ち着いた感じたのそばだ。
冷たいそばにした。
蕎麦猪口には辛みのある大根のしぼり汁。
それにタレを足しながら好きな味にする。
辛み大根は好みが分かれるところ。
私は好きなので、わくわく。
そして、鰊と煮豆も付いてきた。
あっさり目の味付けで柔らかく美味しい。
大根の辛みをほんのりとした甘さの煮豆で口直し。
細めの麺に絡む大根の辛み。
少しづつタレを足しながら味の変化を楽しむ。
しっとりと落ち着いた品の良いそばで、喉越しもいい。
調べてみたら明治の後半に、製麺業者として創業した製麺の「赤喜」。
初代社長の喜六の名で、自社の麺を提供する店が、「そば処 喜六そば」
と言う事のようだ。
大いに納得した。
「喜六そば」の名前を知ったのは、通称桜山にある「808」。
取材をした後、皆で「セリ鴨鍋」を食べた。
<取材時の写真 撮影 松本 伸>
〆にそばが出た。
蕎麦好きのカメラマンさんが「これは美味い!深い味だなあ~」
と珍しく何度も「美味い」を連発。
みんなで店の方にどこのそばなのかを尋ねた。
その時「『喜六』さんです」と聞いたのだ。
その時の記事です。
暮らす街は知っているつもりでも、知らない事が海ほど山ほど。
もっと「好奇心」と仲良くなろう。
街を紹介する雑誌を出しておきながら、まだまだと反省しまた。
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