All The Things You Are · Ella Fitzgerald · Nelson Riddle & His Orchestra
<音楽が流れます、音量に注意>
サラリーマン時代、よくランチしに来た、
「モンタン」
岩手県庁と桜山神社に挟まれた一角。
数本の路地に百を超える新旧の店が犇(ひし)めく。
行列のできる店や老舗の街中華など。
桜山界隈は、昭和が色濃く漂う。
その中にあるモンタン。
盛岡城址や桜山神社の向かい。
裏手からは鶴ヶ池の先に県庁が見える。
まち歩きの雑誌を企画した時、
モンタンなどの記事を地元の女子大学生にお願いした。
暮らす人が街を歩き、取材するというもの。
その人が、「ドアの中が見えない店は入りにくい。」というので、
一緒に「モンタン」のドアを開けた。
その時もアポなし。
入って直ぐ、カウンターの中にいるマスターに、
「2階へどうぞ」と言われ、螺旋階段を上る。
店は2階の方がテーブルがたくさん並ぶ。
彼女は、
「思っていたより奥が深くて広くて素敵な店ですね。」
ほっとした顔で座った。
マスターにお願いして聞き手は彼女。
空いている時間帯とはいえ、
迷惑にならない程度で、取材を切り上げた。
そして、勿論アラモンタンを食べた。
店を出た途端、
「もう一度、ひとりで来てみます。
いつか、店長に『いつもの』と言える行きつけの店が欲しいんです。」
あの時と同じ奥の窓際の席。
8時近かったが、岩手県庁は煌々と灯る明かり。
12月議会が始まる頃。
どこの部署も忙しいのだろう。
M、L、LL、3Lまである。
昔はLLだったがLにした。
「ア・ラ・モンタン」
熱々のトマトスープが太めの麺によく絡む。
彼女の記事によると、
「甘酸っぱい香りが広がる。酸味のきいたスープと、
その後ろにピリッと辛い味。」
とある。
それに付け足すとすれば、
積もるような粉チーズ。
トマトの下に隠れているベーコンが、また美味い。
さらにタバスコをたらす人も多い。
私も2、3滴。
普通のパスタとはちょっと違う。
やみつきになる独特の味。
今や盛岡のソウルフードの一つ。
休むことも無く、見事に完食!
美味しかった~
スタッフがチラシをくれた。
花巻市の萬鉄五郎記念美術館で「モンタン展」が開催されるそうだ。
モンタンは、始めは大通りにあった。
初代の味を引き継いだ人が、桜山で「モンタン」を復活。
それが今のマスターのお父さんだ。
そして、若きマスターは、昭和の味を守り続けている。
代替わりしながらも盛岡の食文化は脈々と昭和レトロな桜山界隈で生きている。
螺旋階段を下りて会計。
「やっぱり美味しい。また来ます!」
と言うとマスター達の爽やかな笑顔に送られた。
Lを食べて満腹の宵。
少し、まち歩きをして帰ろう。