Bill Evans - You Must Believe In Spring
<音楽が流れます、音量に注意>
10月の半ば、紫波町のオガールで「マコモづくしのご飯会」に参加した。
直ぐに真菰(マコモ)の魅力にはまった。
美味しい料理を食べつつ和やかな懇談。
その中で北上市で栽培している人がいる事を知った。
また、主催者の住吉さんから、
「マコモ茶」を近くの店に置いてあると教えてもらった。
店の名を聞いて心当たり。
紫波町で「高福」という看板。
国道4号線沿いにある店の前をしょっちゅう通り、気になっていた。
入ったことはなかった。
何台分かの駐車場はあるが、交通量が多い国道。
南の花巻方面に向かう時は、反対側。
店側を通る時は盛岡への帰り道。
仕事や用事を終えれば、たいてい夜。
気になってから7、8年、だんだん好奇心も薄れかけていた。
それが、マコモから火がついた。(笑)
先日の午後、時間があり、「高福」へ。
マコモにとても興味があるという人を誘った。
私の目的は、お茶のほかに大福。
店のドアを開けて驚いた。
看板には確かに「甘味処」とあるが、中は想像をこえた素敵なカフェ❗
「わぁ~!」と一緒の人は、大きな眼をさらに見開く。
奥のテーブルに座ろうとして、
「よかったら、こちらの広いほうでもいいですよ。」
心地よい気配りに甘える。
メニューを見て更に驚いた。
ランチもある。
悩みに悩んで「田舎しるこ」にした。
狐色に焼けた餅、とても香ばしい。
甘さも丁度いい。
忘れかけていた餅の焦げた香り。
「高福」のお汁粉の餅は、膨らんでよくのびる。
炭火に網。
その上で餅が焼ける。
小さな風船が膨らむ、あの光景。
手や箸を使ってひっくり返す、もこもこ着込んだ母の姿。
いつも自分の分は後回しで次々に焼いていた。
あの頃の日本の冬。
ほうじ茶の小のセットでいただく。
小さな大福も頼んだ。
食べやすいひと口サイズ。
アクリル板の向こうは「和パフェの小」
底には「黒蜜のゼリー」
次にバニラアイス、
あんこ、お餅、抹茶アイスとのる。
てっぺんにきな粉と栗までも!
そこに黒蜜をお好みで。
満足そうに食べる姿を見ながら思った。
「次は決めた!」
気になってから通り過ぎていた年月。
でも、気がついた幸いを大切にしたい。
目的を思い出しマコモ茶を買った。
後は、ゆっくりほうじ茶を楽しんだ。
「おや?この箸置きは?」
店の方に聞くと弾けた椿の実の殻だそうだ。
丁寧に話してくれる。
色々聞いてみると、百年以上続いている餅屋さんだった。
甘味処も長いとの事。
窓から長く伸びた柔らかな陽差しが、よく似合う処だ。
盛岡と花巻の中間にあり、素敵なひと休みの場所を見つけた。
人と繋がる事で新たな出逢いと発見。
そんな事を思いながらの帰り道。
翌日の楽しみ。
買ってきた大福。
僅かに感じる塩味、甘すぎないあんこ。
品がよく、大人の味の大福。
豆がまた、美味しい。
さて、マコモ茶を淹れてみよう。
昨日の余韻を楽しむ午後のひと時。