HAUSER - Lascia Ch'io Pianga
<音楽が流れます、音量に注意>
<盛岡食いしん爺日記>
10月2日 土曜日晴れ。
花巻へ。
「好きなだけ栗拾いして、いいですよ」と言われ、知り合いの家を訪ねた。
挨拶もそこそこに栗の樹へ。
一緒に来た人は帽子にトング。
拾う気満々。
「うわ~!」
歓声とともに樹の下へ。
落ちたばかりの実を目当てに虫が寄る。
虫たちも必死。
失礼して拾った。(笑)
中から出て来た見事な栗の実。
今年は豊作で、連日、たくさん採れたそうだが、そろそろ終わりらしい。
誇らしげな栗の大樹。
今日は栗きんとんを作る予定の人、
枝をもらい庭に植えようと思っている人などが来るそうだ。
一本の大樹から繋がる人の輪。
美味しそうな栗がたくさん。
子供の頃、
友達に栗の樹が何本も連なっている場所に連れられて行った。
「ここは、いっぱい落ちているよ!」
道端の樹の下に凄い数のイガが落ちていた。
落ち葉に埋もれかけた大きな実。
持っていた紙袋が重くなった。
家に持って帰ると父と母が取り出して、
「これは、殆ど虫食いか、古い実だなあ~」
その後、長年にわたり栗拾いをしたことがない。
その日、ある人の家で、
皆で料理を作り、秋の味覚を味わう会。
「鶏肉、栗、にんじん、しいたけの煮物」
栗は胃腸の働きを活発にして身体を温めるそうだ。
料理本を見てアレンジしたらしい。
栗と仲間達。
「春菊、れんこん、柿の酢の物」
これも参考書があるようだ。
さっぱりして美味しい。
イカの調理の得意な人も。
味噌がいい味!
たくさんのネギが詰まって臭みもない。
そして、栗ご飯。
栗拾いを語りながら、
ご飯がすすむ。
採ってきたばかりの栗は、ほくほくで、ほんのり甘い。
豪華な秋の味覚を存分に味わう会食になった。
栗拾いに呼んでくれた人に感謝。
作ってくれた人達に感謝。
あ~美味しかった。
夜も更けて、満腹の帰り道。
月を見て思った。
八百万の神々が出雲へ行くという神無月。
盛岡を囲む山々の紅葉も麓へ駆け下りてくる。
思えば、森で暮らした縄文の人々は、
秋の実りをとても大切にしていたに違いない。
その頃、人生は、30年ほどらしい。
だとすれば、今は3倍の秋を味わう事になる。
今年の秋の味覚は、祈りに似た感謝の心で味わった。