Bill Evans Trio - Very Early
<音楽が流れます、音量に注意>
昼下がり、
花巻市東和町の幸田の棚田の丘の上、
パン屋「粉ひきのゴーシュ」へ。
「完売しました」の掲示。
やはり、午前中、早く来ないとパンが食べられない。
覚悟はしていたものの、浅いため息。
車を停めてひと休み。
秋風が吹くたび、
栗の実は大きく膨らんで、もうすぐ口を開けそうだ。
棚田の黄金色も日増しに濃くなっていく。
気を取り直して土沢商店街へ。
短いけれど、いつか見たような気がしてくる光景。
昭和の時代で止まっているような、懐かしい街。
駐車場に停め、しょうゆたこ焼き本舗「松葉商店」へ。
残念ながら、食堂は閉めていた。
もちもちの焼きそば、極細麺のラーメンを諦め、
たこ焼きを買った。
商店街のあちこちにあるベンチに座った。
勿論、食べるため。
こんがり、ふわふわのたこ焼き。
醤油が焦げたいい匂い。
塗られた醤油ベースのたれがピリッと味を引き締め、ついつい爪楊枝をさし続ける。
味見のはずが、気がつけば完食。
美味しかった。
商店街を散歩して午後3時を過ぎた。
目的の「大沢温泉」に向かった。
花巻の街で友達をひろった。
大沢温泉に着いて坂を下りながら、
「久し振りだなあ~」と友達が言う。
「いつ来たんだ?」と聞いた。
「ん?先月」と言うので2人で笑った。
いつ来ても懐かしいと思う。
この階段の上にホールがある。
温泉に入る前に、勝負する事になっていた。
オリンピックの興奮が蘇る2人。
始めは混合ダブルスの大逆転、そして金メダルの話をしながら。
「あれは素晴らしかった。」と言うと、
「しかし、卓球人気が上がっただろうね。」
などと話していたが、
しだいにラケットを握る手に力が入る。
スリッパを脱いだ。
2人のTシャツが汗ばむ。
気がつけば、8セットを越えていた。
一進一退のいい勝負だが、ラリーが続かなくなってきた。
手と口は、動くものの脚が置き去り。
着替えもない事だしと、終わりにした。
その後、風呂に入ったが2人とも無口で、
「あ~」「う~」とか唸ってばかり。
湯上りの汗がひくと旅館の中を回ってみようという事に。
茅葺の方は、今は泊まる事が出来ない。
2、3年前だったかの豪雨で橋が損傷したそうだ。
改修工事をしていた。
あそこに泊った記憶があると彼は懐かしそうに話していた。
そうそう、混浴の露天風呂も久し振りで見た。
「たまに来ても、こうして歩いてみるのもいいね」と言うので頷いた。
時代を共有してきた友達と歩いた大沢温泉。
家に着くと足が重いし、腕もだるい。
明日は筋肉痛かもしれない。
関東の仲間が、自炊館に泊りたくてうずうずしている。
「もう少しの辛抱ですよ」とPCに向かって呟いた。