If You Love Me · Melody Gardot
<音楽が流れます、音量に注意>
Fさんを誘って盛岡の老舗そば屋「直利庵」の暖簾を潜った。
近頃、誰かと一緒に食べる時は、そば屋が多い。
というか麺類や丼物が多い。
やはりフレンチやイタリアン、中華は好みが分かれる。
勿論、そばやカツ丼にもひいきはあるが、幅が狭い気がしている。
1時半を過ぎていたが、年末の老舗そば屋は、まだ混んでいた。
待つことにすると、ほどなく席に案内された。
厨房は湯気に包まれ、止まることのないスタッフの動き。
久し振りに見る活気。
アクリル板越しに「何にします?」と聞くと、返事は「かも南蛮そば」
そうきたか・・・
私は迷う。
中華そば、カツ丼も食べたい。
それに、ざるそばも久しく食べていない。
しかし、三つは無理だ。
結局、「かつ中華」と「ざるそば」にした。
向かいの美味しそうな鴨肉のつみれ。
あれ?
「つくね」と「つみれ」の違いって何だろう?
ググッてみる。
つくねは、焼き鳥などで使われ、
鶏肉などを使ったものと思われているが、
「つくねる」の言葉からきていて、手でこねたりしてまるめることらしい。
鶏肉に限らず、魚など具材を問わない。
焼いたり煮たりして色々な料理となる。
一方つみれは、「つみいれる」という動詞がもとで、
こねて混ぜるのは同じでも、生地を手やスプーンなどで取り、
鍋に入れることを言うらしい。
なんだか、分かったようで・・・(笑)
向かいの人に話してみたら、
「俺的には、つくねは焼き鳥を思い浮かべ、
つみれは、竹筒からへらでちょっとずつ鍋に入れる感じだなあ~」
2人で笑った。
私は、今年初の直利庵の「ざるそば」から。
品の良い、のど越し抜群、そばの風味に香る漆黒の海苔。
美味しい。
あっという間だった。
続いて「かつ中華」
初めて食べた時は少し覚悟がいった。
しかし、予想とは全く違い、カツの衣は剥がれず、ふやけにくいのに感激した。
スープも脂ぎることも無く、濁らない。
長野から来た方が、
半信半疑で、ちょっと不安だったらしいが、食べてみてびっくり。
スープも透き通ったままで、カツはサクサクで感激したと言っていた。
麺もツルッとしてコシもあり美味しい。
残り少なくなっても衣は剥がれない。
これぞ老舗「直利庵」の技!
満腹になった。
Fさんも、美味しく、とても温まったと満足そう。
満ち足りて外へ出た。
「珈琲でも飲みに行きましょう。」と彼が言う。
2年前の普段の暮らしが、少し戻ってきた気がして嬉しかった。
たぶん、彼も同じだったと思う。
直利庵(ちょくりあん)
〒020-0871 岩手県盛岡市中ノ橋通1-12-13
019-624-0441