Valsisimo · Rafael Gintoli · María Isabel Siewers
<音楽が流れます、音量に注意>
7月の下旬、盛岡に来てまだ3か月の人と待ち合せ。
約束は桜山神社の門前で10時半。
10時25分頃に着いてお詣りした。
訪れる人は途切れない。
みんな何を願うのだろう。
約束の時間に電話。
ちょっと違う方に行ったらしい。
しばらくして額に汗を滲ませやって来た。
まだ、3か月では無理もない。
初めて会ったのは盛岡に来て、間もない頃。
街中を流れる川が多いと言っていた。
待合わせの桜山神社は、盛岡城跡のそば。
近くは岩手県庁など官庁街。
分かりやすいと思ったが、
この辺りを「桜山」と言う事も初めて知ったそうだ。
神社から歩いてすぐの喫茶「Park(パアク)」へ。
入るなり、「レトロですね~」と写真を一枚二枚。
街に架かる橋からの岩手山の眺め、
古い喫茶店や素敵なカフェが多いことなど話しが弾む。
何を頼むか迷う彼女に「コーヒーゼリーのソフト」を薦めた。
テーブルに置かれると目を丸くしてスマホを構えた。
「美味しいです」と始めはゆっくり味わう。
しだいにスプーンが忙しくなった。
珈琲を飲みながら、
学生から社会人になりたての人を見ていた。
自分が駆け出しサラリーマンの頃、ここによく来た。
机の引出しの奥に、ここのマッチが潜んでいるかもしれない。
昔は2階にも席があり混んでいた。
階段の前で、カウンターに向かって、
「ホットコーヒーお願いします!」と言って上って行ったもの。
昼休みや仕事の後の待合わせ。
コーヒーを飲みながら、
ちょっと仕事をかじっただけなのに、
同期と職場の体質を古いと言ったり、
「あ~東京へ戻りたい」と言ってみたり。
もっともらしい話をしていた。(笑)
この街で暮らし始め、あちこちに出かけて仕事。
夕方には先輩に連れられて桜山で一杯。
同期と大通りの居酒屋で呑んだり、
あちこちの喫茶店でデートしたり。
知らず知らずに道を覚え、半人前になっていく。
しだいに任された仕事の重さを知る。
さて、向かいの人は、
数年で他の都市へ転勤するからだろうか、
吸収力が満ち溢れている。
静かながら二つの目には好奇心。
でも、これから、色んな事がおこり、必ず失敗もするだろう。
うつむいたり、笑ったり。
先を見れば、長い人生。
振り返れば、あっという間。
パアクでは、珈琲を飲み終える頃にお茶が出てくる。
店を出で、彼女は県庁方面へ。
桜山の路地や店を覗くようにしながら歩いて行った。
さて、スマホで時間を確かめた。
もうお昼も近い。
あれ、ランチを誘えばよかった。
桜山の老舗、パイロン、パイカルにアラモンタンなど、
盛岡の味を紹介すればよかった。
まあ、次の機会に。
<※昨年の写真>