Cuando vuelva a tu lado / What a difference a day makes - Natalie Cole
花巻市御田屋町の「菊池 捍(まもる)邸」が一般公開中。
6月下旬から始まり、7月17日と18日で、いったん終了。
花巻の高校を卒業したものの、菊池氏の名前も知らなかった。
彼は、北海道で学び台湾に渡った後、大河ドラマで話題の渋沢栄一が、
出資した当時の明治製糖などで取締役を務め、その頃、
自宅としてこの地に昭和元年建築。
花巻の武家屋敷と北海道型の洋館の特徴を併せ持った建物。
見ていると落ち着く玄関。
大正から昭和の始めにかけての暮らしを思う。
この家でどんな物語があったのだろう。
襖も凝っている。
初めて見た。
ちょっとした空間にも当時の工夫が見られて楽しい。
解体の話が浮上したが市民の保存運動により、建物を改修。
これからの活用が楽しみ。
花巻のマルカンビルから歩いて数分。
これからのまち歩きの拠点としても期待している。
特別に許可をもらい中の一部を撮影させてもらった。
一族に色々な方がいて、貴重な写真なども展示されていた。
この家で暮らした思い出のある方と保存・活用委員会の方に案内していただき、その後、一緒に街を歩いて「旧橋本家別邸」の「茶寮かだん」へ行った。
7、8分で着いた。
宮沢賢治が設計した花壇があり、その原型をとどめている。
これは、とても珍しい。
幾何学的な模様の煉瓦。
時代を経ても色褪せることのないデザインだ。
むしろ令和の時代になって新しく新鮮に見えてくる。
規模は小さいが、細かいところまで贅を尽くした造り。
そして品がいい。
ガラスにも模様があり、部屋ごとに光の投影が違う。
とても素晴らしい空間。
菊池邸と橋本邸を巡れば、ワクワクが止まらない。
そしてランチ。
実はこの後、私は別にランチの約束があった。
2人の食べる美味しそうな海老と鯵のフライを横目に、ひとり珈琲。
オーナーの一ノ倉さんが、珈琲をテーブルに置くと
「千葉さん、この珈琲、何でしょう?」と微笑む。
まず、香りがいい。
ひと口飲むと素晴らしい喉越し。
極上の紅茶を飲んだ後のよう。
「スペシャリティ珈琲ですね。」と言うと、
「はい、ゲイシャなんです。この辺りでは、雫石でも飲めるらしいです。」
オーロラ・コーヒー・ロースターズという店の事を話した。
その後もゲイシャの話を少し。
案内してくれた2人に御礼を言い、先に出た。
玄関で見送る一ノ倉ご夫妻。
いつも正座で恐縮する。
この前は、賢治の妹さんのオルガンを見て、今度はゲイシャを飲んだ。
来る度に驚かされる旧橋本邸の「茶寮かだん」
ここと菊池邸、約100年前の暮らしに思いを馳せた日。
花巻の街歩きは、ますます楽しくなりそうだ。