Gabriel Fauré - Apres un Reve, Cello and Piano
<音楽が流れます、音量に注意>
昨年の夏、祭りも中止。
恒例になっていた五所川原の「立佞武多」
今年もないと知った。
年に一度は食べたい和菓子がある。
五所川原の「葉山」
いつも立佞武多を見る前に買い込む。
今年は先に「立佞武多の館」に寄った。
「ヤッテマーレ、ヤッテマーレ!」
祭り気分を少し味わい、周囲を巡る。
立佞武多に手が届きそうだ。
なにせビルの7、8階分もある。
街をねり歩く姿を見上げていると首が痛くなる。
ここでは、ゆっくりと様々な角度から楽しめる。
新しい立佞武多が完成間近。
三体並んで来年の夏を待つ。
「葉山」は、立佞武多の館の裏手にある。
十数年前、初めて祭に来た時、五所川原に昼過ぎには着いた。
駐車場に停め、津軽鉄道に乗って金木まで行ったり。
夕暮れに戻って見に行く時、店の前を通った。
料亭のような造り。
引戸を開けるには、ちょっと気合がいった。
中は落ち着いた雰囲気で、少しずつ和菓子が並んでいた。
初めて入った時の事をはっきり覚えている。
品の良い薄緑の塗壁に藁が見えた。
贅沢に使われた柾目の板。
そして、並んだ和菓子に吸い寄せられた。
それから十数年。
「こんにちは!」
「あら、千葉さんが来た!」と顔を見るなり奥さんは、御主人を呼びに。
挨拶を交わし、「今年も祭りがなくて・・・」
息子さん達のこと、始めて来た頃の事など弾む話。
昨年、味わえなかった和菓子。
今年も来なかったら、まる2年も口にできない。
一昨年までは車を置かせてもらい、立佞武多を見て戻る。
始めに来た頃から数年は、ほんの世間話だけ。
しだいに互いの事を話すようになり、
今では、ご家族のことや色んな事を知っている。
親戚の家より、近い感覚。(笑)
そして、今年も沢山のお土産をいただいた。
採れたての野菜やシジミまで。
いつも甘えてしまい、時を忘れてしまう。
「葉山」の初期からの物語を少し知っている。
ゆっくりした後、角を曲がるまで見送ってもらう。
いつも我慢できず、帰り道のパーキングで箱を開ける。
何というか、「甘さを控えて、甘さを感じさせる和菓子」
食べ始めると一個ではすまない。
好んで食べなかった和菓子を好きにさせてくれた店だ。
その日、特別にレシピのメモをちょっとだけ見せてもらった。
ぶ厚いメモが束に整理され、感想や反省も記されていた。
やはり、美味しい物には日々の並々ならぬ努力がある。
津軽の空は、どこまでも広かった。
年内に、また行きたいと目論んでいる。