All the Things You Are - Tommy Flanagan Trio
<音楽が流れます、音量に注意>
先日、盛岡八幡宮の「茅の輪神輿」の渡御があった。
いつもの暮らしのひとコマを運よく見ることができた。
マスクから除く顔はみんな笑顔と分かる。
その日は、暑く、何度も休憩を入れ適度な距離。
眺めていると自然と零れる笑み。
帰り道の交差点で信号待ち。
すると、旧知の人とばったり。
「お~久し振り!」
「ご無沙汰してました」
数分立ち話。
「ところで、夕飯食べた?」
「いいえ、まだですよ」
一緒に食べることに。
その交差点から1分で、「直利庵」がある。
額を出して検温、アルコール消毒。
老舗のそば屋「直利庵」でもテーブルにアクリル板。
住所を書いて注文。
カツ丼にすると向かいは、
「冷やしのめかぶそばを一つと・・・」
と言いながら壁をチェック。
「それから、鰯の南蛮漬けが食べたい」と注文。
つられて貼り紙を見て「フキと厚揚げの煮物」を頼んだ。
互いの近況の話の最中、来た来た!
<ふきとあつ揚げの煮物>
ふわふわと踊る鰹節の削り節。
あっさり炊き上げているが、出汁がしっかり染みている。
<いわしの南蛮漬け>
フキのかわりに一切れいただくと魚の臭みもなく、美味しい。
<直利庵のカツ丼>
「お先に失礼します」
飴色の玉ねぎと半とろの卵だけでもご飯がすすむ。
玉ねぎと卵に包まれて、ふやけても剥がれないカツ。
いい感じの歯応え。
噛むと衣に閉じ込められた肉の旨味。
美味しい。
フノリのそばもついてくる。
透明な板越しに熱い視線を感じる。
続いて向かいに置かれた「冷やしのめかぶそば」
「いただきます!」と向かいで、ニコニコ。
タレをかけて食べる。
「その白いのは?」
「帆立なんです」
「お~」
「そばとトロトロのめかぶとの間に玉ねぎ、これが甘い」
と言う。
せめて写真だけも。
ファインダーを覗くと何とも涼しげなビジュアル。
食べてみたいが次の楽しみに。
そばと玉ねぎ、めかぶがたっぷりで、その上に帆立がのる。
「そろそろ、いいんじゃない」
「あっ失礼しました、見とれてしまって」
気がつくと何枚も撮っていた。
美味しい物を前に笑顔のふたり。
透明なアクリル板にマスク。
こんな世の中が来るとは。
でも、聞き耳を立てずとも何となく分かる。
目は口ほどに物を言うというやつ。
長い付き合いとは、いいもの。
以前なら食べ終わって、どちらともなく誘うはずの「ちょいと一杯」
女将さんに挨拶して店を出た。
「落ち着いたらゆっくりやろう」と手を振る。
「今年の冬には忘年会、3回分やりましょう」と言って背を向けた。