Andre Gagnon – Tomorrow
<音楽が流れます、音量に注意>
JR三関(みつせき)駅に寄った。
ぐるぐると巻けるほど長いセリ根とさくらんぼの郷。
今日は勿論、さくらんぼ。
三関は南北に細長く、東と西に迫る山並み。
東の斜面にずらりと並んだビニールハウスに西日が燦々。
麓の道は、さながら「さくらんぼ街道」
昨年、7月19日に訪れた。
色々あって出遅れ、ダメモトで来た。
幟旗も見えず、道端の農園で聞くと南の方で、
1軒やっているかもしれないという。
作業場を覗くと午前中で今年の出荷が終わったところだった。
せっかく来たのだからとパックに詰めてくれた。
それが小嶋農園さんとの出会い。
今日は、令和3年6月17日、木曜。
街道は静かで、幟旗も見当たらない。
1年振りの小嶋農園に着くとおばさんがいた!
「あ~ 盛岡の人」
昨年の御礼と今年の様子を聞く。
まだ、早くて佐藤錦は後、数日。
「中に行きましょう」
陽射しが強い中、一家総出で作業中。
色づき始めた実もあり、試食させてもらった。
美味しい!
「ほら、これを見て」
まだ黄色いさくらんぼが鈴なり。
「可哀そうだけれど選別して落とすんだよ」
銀色のシートに次々に集まった物は土に返す。
帰ろうとすると紅秀峰は、少しあると言う。
作業の様子を見せてもらい、今年も少し分けてもらった。
再訪を約束し、少し北へ。
2年前、初めて三関に来て立ち寄ったのが「「観光さくらんぼ農園」
道路際から少し上る斜面に広がるハウス。
昨年は、終わっていた。
車を停めて少し上る。
オーナーさんは見当たらない。
すると駆け寄ってくる人。
ハウスを管理している方だった。
仕事中にも関わらず、丁寧に説明してくれた。
ネットを開けて案内してもらった。
「色づいたものを食べてみて下さい」
紅くなり始めた佐藤錦。
「甘い!」
「後に少し苦味を感じませんか?」
厚い果肉の食感に続いて零れる果汁。
もう一度、「美味しい」と言うと「もう少しなんです」
糖度は、もっと上がり、20度を超えるらしい。
6月の下旬には自信を持って出せると言う。
続いて紅秀峰のハウスにも。
この週末には食べ頃になるそうだ。
紅い宝石!
陽光があたり増す輝き。
アメリカンチェリーのような外観。
しかし、甘く、優しい感じの酸味。
採れたての瑞々しさは言うことなし。
山形では技術的な研究も進んでいて、まだ見習う点が多いと言う。
彼は、額の汗を拭いながら話す。
昨年は、とても早かった。
今年は花が咲いた途端に雨が続き、活躍するハチが来なかった。
全ての樹を回り、受粉させたそうだ。
並ぶハウスを見てため息が出た。
山並みの下に多数の小さな扇状地があり、斜面になっている。
そこに降り注ぐ西日とミネラルを含む水。
大地の恩恵を受け、丁寧な仕事で実る「紅い宝石」
話を聞きながら見ると一層、輝きを増す。
三関の佐藤錦は、手間をかけられ、じっくり熟す。
今年の「サクランボ狩り」は静かに行うらしい。
訪れた人には、味わってもらうそうだ。
再訪を約束して、車に乗った。
部屋で食べると作る人の顔が浮かぶ。
まだ、三関と縁ができたばかり。
下旬に、再び2か所の農園に行こう。