黄昏のビギンーちあきなおみ
<音楽が流れます、音量に注意>
天気予報のとおり、時々雨。
珍しく、8時に前に起床。
久し振りに1日、丸っと休みの日。
出かけようとして、携帯が騒ぐ。
仕事仲間からの電話。
「雨でもいいから、出かけてみませんか?」
すぐに話にのった。
「弘前の桜は、満開が過ぎたようですが、雨の花筏はどうでしょう?」
盛岡の街を北へ抜けた。
滝沢のインターから東北自動車道にのった。
高速を北へ走るのは数年ぶり。
雨は、ワイパーが間隔をあけても大丈夫。
走るほどに、両側に山が迫りトンネルが多くなる。
安比高原を左手に見る辺りが標高500メートル近い。
八幡平市を抜け、湯瀬のパーキングでひと休み。
東北自動車は、静かだった。
街の桜は葉桜模様。
小雨に煙る満開の山桜。
しばらく走り、花輪の盆地に出ると青空。
「晴れてますね!アニメに出てくるような雲ですね~」
と助手席の人は、上手いことを言う。
弘前・大鰐のインターは全く混んでいない。
桜の頃は、渋滞する。
街に入っても楽々走れた。
流石に弘前城の辺りは、人通りが多いが、
いつものそれではない。
前は、渋滞と駐車場探しに困るので、
八甲田山で春スキーをし、夕暮れ時に桜を見に来た。
しかし、今日は街中に駐車できた。
早速、街を歩いた。
しだいに、自分の鳥観図が蘇る。
「そうそう、あの角を曲がるとレストランがある、あっちがお城」
それだけで、なんだか楽しくなる。
1時半。
ますは「高砂」さんへ行き、ランチ。
見るからに歴史を感じる店構え。
そうそう、津軽塗のテーブル。
そして美味しい蕎麦。
一緒の人は、天ざる。
見るからに美味しそうだ。
細く、とても品のある蕎麦。
こちらは、
海老天のぷりぷりは言うまでもなく、
厚みが凄く、一枚で食べ応え十分。
「熱いうちにどうぞ」と言われふうふう。
これは好みの蕎麦。
斜め向かいの人が、
「来てよかったですね」と言う。
「腹ごしらえして弘前は、これからですよ」と笑った。
弘前の「まち歩き」は、始めに最勝院の五重塔へ。
この近くの旅館に泊まったことがある。
大学受験だ。
ここは高台になっているが、下の方にあった。
まだ雪が残っていた。
5人部屋で、
現役は、自分だけ。
岩手の人は、1浪の人。
2浪の人がイニシアチブをとる。
「もう、明日は試験だ、とやかくしても始まらない」
と夕飯前に言い、連れ立って散歩に。
その時、五重塔を見に来た。
想い出を話すと、
「なんだか、想像できない」と笑われた。
試験の途中、勝手に早めに切り上げ、弘前の街を歩いた。
重そうな雪、鉛色の空。
「自分は、何がしたいんだろう」
これから、
どうなるんだろうと思いながら歩いた。
寺山修司「百年たったら帰っておいで」だった思う。
そんな言葉で弘前を語っていた気がする。
受験後の電報は当然ながら、
「サクラチル」と書かれてあった。
<続く>