Diana Krall - Autumn In New York
<音楽が流れます、音量に注意>
盛岡駅近くの北上川。
雪どけ水と近頃の雨を集めて流れる。
夕顔瀬橋を渡る。
岩手山は近頃、美しい稜線を見せない。
今日も山頂は雲の中。
巣作りをしていた頃、木の葉もなく、雛の嘴まで見えていた。
今は緑に覆われている。
もう巣離れしたのだろう。
あれ?
声が聞こえる。
カメラのレンズを替えた。
するとカラスが二羽。
これは大人のつがいだろう。
あっ!
めいっぱい嘴を開いた。
なんと大きな体で、餌をねだる二羽。
親鳥は、しばらく傍にいたが、巣立ちを促しているようだ。
二、三度羽をばたつかせて終わる。
親は、仕方なさそうに飛んで行った。
子供達は、親鳥の飛んで行った方を見ていた。
巣立ちをしないで親頼み。(笑)
楽を覚えてほくそ笑んでいるのでは?
人間の世界にもありそう。
車や人の往来も多い橋の袂で、近くにはマンションやホテル。
そんな街中で子育て。
気がつくと二十分以上も経っていた。(笑)
急いで仕事しに。
夕方、かなり早めに大沢川原の「やまや」へ。
まだ、すいていた。
やまやでは韃靼、挽きぐるみ、更科と三種を一度に食べられる。
昔は余裕で完食。
あれ~
更科と韃靼蕎麦のつもりだった。
確かにペコペコで三種と言ってしまった。
韃靼は、ルチンが豊富。
挽きぐるみは、蕎麦の風味。
一番好きなのは更科。
細く品のいい蕎麦。
三枚並べてスタート。
季節の掻き揚げもはさみながら蕎麦を食べる。
だんだんペースが落ちる。
下足天を口にしたら、少し蕎麦が欲しくなった。
挽きぐるみがあと半分。
ふう~
息を吐きながらベルトを緩めた。
蕎麦湯をもらい、蕎麦猪口にタレも注ぐ。
そこに挽きぐるみを浸す。
すると違った感じで喉を過ぎる。
完食!
親方は、よく食べたと思っているだろう。
「久しぶりに三色を一気に食べました」と言った。
「それは、よかったです。ありがとうございます」
笑いながら会計。
やまやの裏は、宮沢賢治が下宿していた場所。
今も当時の井戸が残る。
ここでは、まだその水を使う。
やまやも老舗だ。
家に帰り、
少し胃が落ち着いてくると誰かと話したくなった。
古い友達に電話。
カラスの話は驚き見てみたいと言う。
賢治の話では盛り上がった。
間違って蕎麦三枚と天ぷら二枚を食べたと話すと思い切り笑う。
きっと海老のように背中を丸めているはずだ。
しまいには涙する。
思ったとおりのリアクション。
再会の約束してスマホを置いた。