If You Love Me · Melody Gardot
<音楽が流れます、音量に注意>
「なんだろう?」と思いつつ、通り過ぎる。
見るたびに気になるものの、
パッと行動に移せない。
そんなことが多い方だと思っている。
ネガティブだった子供の頃の名残。
小学校の通知票。
「積極性が欲しい」とよく書いてあった。
心の底にあるものは、
今も、さほど変わっていない?(笑)
その日、
仕事が一段落。
盛岡の隣の町、雫石をドライブ。
2月の半ばからはゆっくりする予定。
岩手山の麓に広がる小岩井。
網張温泉まで上り、玄武温泉の方に下りた。
白い大地を走り、国道へ向かった。
西の山並みに沈みそうな太陽。
すぐそばに、オレンジや紫の不思議な光。
帰り道、46号線の近くに、
いつも通り過ぎていた蔵がある。
何度も入ってみようと思っていた。
カフェのようだが、いつもスルー。
その日、なぜか右にウインカー。
敷地に入る。
蔵と家の間に広い庭。
車を停め、近寄ると「オープン」の小さなプレート。
初めての店は、
たいてい躊躇したり、余計な感情が入り混じる。
その日はスタスタと入って行った。
ドアに、「Coffee、GalleryとLager」
壁際に飾られた陶器、エッチング、ガラスに南部鉄器。
迎えてくれた奥様は、丁寧に説明してくれる。
コロナの前は、色々な作家の個展を開催したり、
カフェも賑わっていたそうだ。
「いつ頃から始めたのですか?」と聞いてみた。
「かれこれ二十数年でしょうか」
七、八年はスルーしていたが、
そのだいぶ前からあったのだ。
庭先の蔵を改造し、旦那さんの事務所に。
ところが回りの人から、素敵な空間が勿体ないという声。
数年後にはカフェ兼ギャラリーにした。
催事の時は二階も開放。
しだいに口コミで広がり、
色々な人から個展を開きたいと話がくるようになった。
ミルクティーは、紅茶もミルクも濃く、深みのある味。
とても美味しい。
カップとソーサーも素敵だ。
「Lagerとありますが?」と聞くと、
「ドイツ語なんですよ、ラーガー、倉庫とか物置という意味らしいです」
と微笑む。
「前を通るたび、気になっていました」
「皆さん、そうおっしゃいます」
少し安心した。(笑)
家のそばなので、
昼頃から夕方まで店を開け、
何か用事ができた時だけ閉めるそうだ。
蔵の二階が事務所で、一階が素敵なカフェ兼ギャラリー。
あ~ 羨ましい!
こういう空間なら仕事が捗りそうだ。
しかし、夢のまた夢。(笑)
いい出会いに、帰り道の気分は上々。