While My Guitar Gently Weeps (Taken from Concert For George)
Paul McCartney, Eric Clapton
<音楽が流れます、音量に注意>
いつになく降る雪。
そして寒い。
北国の街、盛岡はモノトーンの世界。
でも、その日、
市内を一望する岩山の展望カフェ「GEN・KI(ゲンキ)」に、
行ってみると街は、薄い青の世界に包まれていた。
雪が止んだばかり。
閉店間際だったが美味しい珈琲を頼んだ。
「ゲンキに行ってみたい」という人も一緒に。
冬の急な坂道は、誰かがいると心強い。
「二つの珈琲、湯気を絡ませている」
どこかで耳にしたフレーズ。
ゲンキは、昨年の11月中、店を閉めた。
マスターの久保田さんは、盛岡から津軽まで北上し、
日本海沿いに京都に行って来た。
なんと自転車で!
一緒の人もその話を聞くのが目的。
彼は、いつものようにニコニコと話し出した。
古い型の自転車を修理。
勿論、秋に練習をしていた。
さて、出発して十数分、
盛岡の上田辺りで、疲れたという。(笑)
十キロほど漕いだものの疲れ切ってしまい、
まだ市内の厨川のラーメン屋さんに入った。
「僕は、行けるのだろうか?」と思い「無謀」という言葉が浮かんだ。
美味しいラーメンを食べ、ゲンキ回復。
国道4号線から分かれ、
八幡平市や鹿角へ向かう道を走った。
雨が降り、身体は冷える。
漕ぎに漕いだ。
一日目の予定は、弘前まで。
あの道は東北自動車道と時折、交差し、
一般道も高低差が多い。
秋田県に入り、鹿角の辺りは広い盆地。
雨の中、小坂町につく頃には陽が暮れてきた。
彼は、一度、自転車で弘前辺りまで走ったことがあった。
小坂から大鰐に向かう道は、幅が細いうえ曲がりくねった峠越え。
その難所を思い出し、小坂に泊まることに変更。
タブレットを濡れないようにカッパで隠しながら宿を探す。
一軒だけ宿がみつかった。
翌日、難所を越えた。
「やはり、夜に走らなくてよかった」と思ったそうだ。
弘前につくと岩木山神社を目指した。
ところが上り坂が続き、神社についた頃には、夕暮れ。
マスターは、
パワースポットと言われるこの神社を旅のスタート地点にしたかったのだ。
結局、暗くなり弘前に泊った。
ここで話もひと休み。
今度、フィナンシェを発売!
しっとり具合がイイ感じで美味しかった。
なかなか好評らしい。
弘前から、
本当は別の道を行く予定が、秋田県の能代に向かってしまった。
予定より早く日本海沿いをひたすら漕ぎ続けた。
平坦な道ながら、陽が落ちるのが早く感じたそうだ。
とうとう真っ暗になり、ポツンとあったコンビニへ。
少し眠っておこう思い、店の陰に横たわった。
「星が綺麗だったんですよ」
と微笑むが、真剣な顔になり続けた。
「眠れないんですよ」
しばらくして店の人が外の掃除を始めたそうだ。
どう見ても妖しく見えるだろうと起き上がり、自転車に跨った。
マスターに言った。
「防犯カメラに寝転がっている不審者を掃除のふりして見にきたのでは?」
「確かに、そうれに違いない」と彼と笑った。
男鹿半島の付け根を過ぎても秋田の街までは遠かった。
仕方なく暗がりを漕いでいくとまたコンビ二があり、
そこは、半身が隠れる様な場所があり、横たわった。
しかし、星空の下、眠れない。
結局、走った。
「どうして、夜まで走ったのですか?」と聞いた。
「翌日、山形の鶴岡市で知り合いと約束してまして」
結局、曇り空の下、
眠りもせず、漕ぎ続けてまっしぐら。
左手に迫るはずの鳥海山も分からずに通過したそうだ。
酒田につく頃には、陽もとっぷりと暮れた。
へとへとで結局、約束した方に酒田まで来てもらうことに。
その人は車で来たので呑めず、マスターだけ呑んだそうだ。(笑)
翌日、昨日の人から勧められた店へ寄ったり、
色々な物を見てその日は、10キロほどしか進まなかった。
話は、まだまだ始まったばかり。
でも、岩山も暗くなってきた。
本日は、これでおしまい。
実のところ話は、盛りだくさんで新潟の柏崎まで進んだが、
詳細を正確に覚えていない。
お断りしておきますが、
多少、すでに違っているかもしれません。