Charlie Parker - "My old flame"
<音楽が流れます、音量に注意>
昨年の冬からの騒ぎは静まるどころか、
再び非常事態宣言の地域も。
東日本大震災の後、
ある会議で、
「想定内とか外とかは、人間のおごりだと思う。
地球、自然は、遥かに人間を超えている。」
今も残るその人の表情と声。
遠出しにくいこともあり、
昨年の秋から、一日一万歩を目指して歩き始めた。
すると普段は気づかなかった発見が次々に。
道端の片隅に咲く花やオブジェ、古い看板など。
そうなるとまち歩きが楽しくて仕方ない。
この冬、北国は寒く道端に積み上げられた雪が溶けない。
それでも歩く。
先日、盛岡の古い街並み葺出町(ふくでまち)や愛染横丁、生姜町を歩いた。
旧町名の由来板なども見ながらゆっくり。
3時半頃、
生姜町の佐藤氷店の「おやき」に足が止まった。
店の人と半分だけ開いた小窓越しに話したり、食べてみたり。
ぶ厚いおやきを目いっぱい口を開け、ガブリ。
温かい皮から沢山のあんこ。
丁度いい甘さ。
「差し入れしよう!」
熱々をバックに詰めた。
歩きながら、ふと思い出した。
幼稚園の頃、
母に手を引かれて帰り道。
店先に大きな蒸し器。
その中にクリーム色の蒸しパン。
上に干しブドウ。
「買って!」
何度も首を横に振られ、強く手を引かれても、
身体を斜めにして動かない。
三十代の半ばになり、
母が家に戻ることのない入院。
ある日の夕方、
たまたま、あの蒸しパンの話に。
「あの時、珍しく、あなたは駄々をこねてテコでも動かなかった」
と微笑む。
「あの蒸しパンは、もうないんだろうなあ~」
と言うと、
「わたしは、きっともうすぐ食べられる・・・」
と白い天井に向かって言った。
滑る道を十分ほどで仕事仲間のオフィスに。
すぐ、小さなテーブルに広げて「どうぞ」
と言うと想定どおりの「わぁ~」