Chantal Chamberland – Crazy
<音楽が流れます、音量に注意>
その夜、仕事を終えて「珍萬」へ
ソーシャルディスタンスを意識し、
ちょっと減った席。
運よく食べ終えたお客さんと入れ替わりに、
座れた二人。
今宵は中華で意気投合。
忙しそうなので前菜からのスタートは、なしに。
食べたい物をそれぞれに。
<イカと木耳の炒め>
木耳は、柔らかくもコリコリ。
イカも柔らかいが、ほど良い食感。
とろみの餡が、全ての素材の味を活かし、
脇役の野菜も美味しい。
<餃子>
今宵も狐色の誘惑に捕まる。
カリカリっとした皮。
割れても零れ落ちない餡。
美味しい。
「四個どうぞ!」と言うと、
向かいは嬉しそうに箸を伸ばす。
その人は、まだまだ食欲旺盛。
<シュウマイ>
これも働き盛りに「三個、いいよ」
と言うとニコニコ。
こっちまで嬉しくなる。
蒸した餡の香り。
口にすれば皮に閉じ込められた粗挽きの肉の旨味。
丁度いい具合にほとばしる。
このホクホクをもう一個食べたかったなあ~(笑)
<ご飯とセットのスープ>
彼は、スープを口にして眼を丸くした。
香ばしい焦がしネギにはまった様だ。
「今度は、このスープを使った麺を食べます!」
<冷風麺>
「透き通ったスープに予想をこえた具ですね~」
旨いことを言う仕事の相方。
「金華ハムですかね?」と言う。
いつだったかオーナーに同じことを話したら、
「ありがとうございます。実はうちのチャーシューなんです」
プリっとした海老、チャーシュー、
キュウリ、錦糸卵、クラゲにカニ棒。
個性豊かな具を纏める、スープ。
強めの酸味も、
切れ味のいいすっぱさに、
二人のレンゲが止まらない。
「そうそう、麺は、びしっと冷やしているので、
のびにくいらしいよ」
と聞いた話をつけ足した。
「やっぱり美味しくなる工夫があるんだよなあ~」
と残りの麺を口にした。
「シェアして食べるのもいいですね」
好みが合うからこその話。
彼は、ジャスミン茶を飲みながら続けた。
「いゃあ~初めからビジュアルでやられました」
確かに見惚れてしまう「珍萬」の中華料理。
ミーティングの後の、美味しさは、
一日の充実感に華を添えて。