Nicki Parrott - I Will Wait For You
<音楽が流れます、音量に注意>
偶然見つけた一枚の写真
「ルハン」の瞳に僕が映っていた。
「君は、いつも見ていたんだ」
嬉しくなった。
瞳の中でカメラを構える自分の姿。
レンズを向けるとたいてい、
どこかへ行ってしまう。
かと思えば、いつの間にか足元に。
でも、しっかり見ている。
もう5年前になる
東京から新幹線に乗って来た。
片手にのった450gの小さな命は、よく飛び跳ねた。
ゲージの暮らしから部屋へ出る。
家に帰るとテーブルの物は、みんな落ちていた。
淋しさを紛らわすひとり遊び。
テーブルに戻すと君は、また落として何度も跳ねた。
追いかけっこの日々が懐かしい。
みるみるうちに逞しく育ち、
鋭敏な耳は、互い違いに素早く動き忙しい。
朝は早起きして、
あちこちを見回りして歩く。
その姿も堂々として。
時々、思う
猫君の命が十数年とすれば、
こちらの一日は、彼の一週間ほど。
とんでもない速さで小さな命は、駆けている。
「追いつかなくていい! もっとゆっくり」
と叶わなくても祈りたくなる。
信じて、安心して傍らで眠る姿は、
何にも代えがたく愛おしい。
でも、癒されているのはこっち。
幼い頃、トイレにも入ろうとした。
流れる水の渦巻に吸い込まれそうな身体だった。
片手にすっぽり収まった。
一人前になると、
とんでもない距離を飛び跳ねる。
さて、眠っている間におやつタイム。
チョコレートは、猫君にはよくないと聞いている。
だから、こっそり。
「あれ~」
気がつくと足元で「ニャ~」
ときた。
チョコレートに強く反応。
膝元に絡まってくる。
いつも癒しをもらっているのに
「ごめん!」
今、お気に入りのおやつを準備するよ。
「一緒に食べよう」