Debussy - Arabesque No.1 and No.2
<音楽が出ます、音量に注意>
盛岡郊外のある場所を目指したら休み。
青空が覗く。
早過ぎる春の気配に車の窓を少し開ける。
その辺りの道をあてもなく走ってみたくなり、右に左に進む。
しばらく行くとT字路に突き当り、どちらも道幅が極端に狭い。
戻ることにした。
当たりの丘は一面の林檎の樹。
脚立に足をかけた二人の男の背中。
今は選定の作業だろうか?
右手に白壁の蔵が見えた。
「カフェかな?」
蔵の前に車を停め、建物を覗くと沢山の林檎。
もっと近づくと家から奥さんらしい人。
「あの、今、買えますか?」
「はい」
中は林檎の香りが溢れていた。
林檎のジュースやジャムにサンフジとシナノゴールド。
「サンフジは、蜜が今の時期になると果肉に戻るのです」
蜜が薄い色になり、広がるらしい。
あれもこれも欲しくなる。
<シナノゴールドとサンフジ>
家で剥いた「サンフジ」は、瑞々しく、ほど良い甘さ。
りんごの香りが広がり、とても美味しい。
話を聞きながら色々買い込んだ。
聞いてみた。
「あの蔵は、カフェかと思いましたが・・・?」
「泊まれるんですよ、中をみますか?」
いそいそと後に続いて分厚い壁の中へ。
築130年という。
中に入ると木の温もりを感じ、漂う空気が柔らかい。
農業体験や海外の人も訪れるそうだ。
板の間にゴロリとしたくなる。
木に包まれているせいか、小窓だけなのに閉塞感がない。
奥さんが話してくれた。
家族会議を開き、仕事の分担や色々な取り組みを話し合う。
「家族経営協定」まで結んでいるそうだ。
もらったDMは、息子さん達が作るそうだ。
丁寧な説明にお礼を言って後にした。
その翌日の24日
岩手日報を見て驚いた。
「全国果樹技術・経営コンクール」で最高賞の農林水産大臣賞を受賞!
安全安心を追求した特別栽培の実践。
家族みんなが働きやすい経営の実現に向けた取り組みが認められた。
21日に、岩手県庁で受賞の報告をしたという北田夫妻の記事。
その2日後に訪れたが、そんな話は微塵もなかった。
蔵の宿には、年間約400人も泊りに訪れるそうだ。
今度は、北田さんの米を買いに来てみよう。