金曜ロードショーより「Friday Night Fantasy」
<音楽が出ます、音量に注意>
近頃は、盛岡と花巻などをスタッフと行ったり来たり。
夕方になると花巻でご飯を食べることも。
花巻の「嘉治屋(かじや)」さんへ。
大きなポスターを見て思った。
その日は、11日、花巻の恒例「元祖・わんこそば全日本大会」
さぞや会場や店と忙しかっただろう。
ご飯ものが食べたいと思い、初めてのカツ丼。
脂身が甘く美味しいと思ったら、
カツの肉は、地元の白金豚。
向かいの人は、鴨南蛮。
美味しそうだぁ~
味見したいが、言い出せない。
誰にでも、そうそう「食べたい」と言えるわけでもない。
「少し食べますか?白金豚のカツ丼も食べてみたいです」
のひと言を期待している自分。
しかし、黙々と食べている。
ふいに顔を上げてこちらを見た。
「あ~ 美味しいです」
と言うなり、また食べ始めた。
見事に期待は、消えた。
とうとう完食し、身体を反らして言った。
「あ~美味しかった!お腹いっぱいです」
恨めし気な表情をしていたのか、
「あっ!食べたかったですか? 言ってくれればいいのに」
と口を開けて笑うから、つられて笑うしかない。
蕎麦湯を飲んでいると、
「あの、突然ですが、どんな子供だったんですか?」
ときた。
「通信簿に、いっつも消去的だと書かれてました」
今度は、ほっぺたの内側が見えるほど笑ってから口に手をあてた。
「そっちは、どんな子だったの?」と聞くと、
「内弁慶でした」
また二人で笑った。
美味しい物を食べて、笑うと心満たされる。
「宮沢賢治さんさんが好きだったんですよね、この鴨南蛮。」
「残念でしたね~「かしわ南蛮」らしいよ」
「え~!」
と小さな悲鳴がして、また、ほっぺたの内側が見えた。
「今度は、絶対、かしは南蛮にします!」
場所は移ったが、明治37年創業の嘉司屋には、
宮沢賢治も花巻農学校の教師時代、
鹿皮のジャンパーを着て食べに来たそうだ。
時には生徒たちを連れて。
そんな時、好きだったかしわ南蛮を食べながら笑ったりしたのだろう。
宮沢賢治は、どんな子供だったのだろう?
いつか調べてみよう。
消極的で内弁慶だったら面白い。
県北の蕎麦粉を使い、なるべく地元産の物で作られる料理は、美味しい。
そう言えば、以前、鰻がとても美味しかった。
今度、食べれるか聞いてみよう。