Andrew York plays "Home" on an 1888 Antonio de Torres
<音楽が出ます、音量に注意>
今月の中旬、花巻で仕事
早めに行って昼食。
無性に蕎麦が食べたくて。
正午前に「大畠家」さんへ。
スタッフと座れば、空いたテーブルは残り少なく。
注文済むともう満席。
<大畠家さんの ざる2枚>
せいろも素敵で、歴史を感じる。
<蕎麦と海苔、山と海の香り>
優しい蕎麦で、コシより、風味を楽しむ。
お客さんは、たいてい2枚、3枚、中には4枚重ねる人も。
飽きのこない蕎麦。
薬味は、ワサビではなく紅葉卸で権八とも言う。
権八と言う呼び名は、歌舞伎に起源があるらしい。
「紅葉卸や権八」に、
つゆを入れる蕎麦徳利、蕎麦猪口と蕎麦回りの呼び名も小粋。
<ちぎった海苔を纏う蕎麦>
老舗大畠家は、創業が「慶長」と聞いた
徳川家康が天下をとる前だ。
400年を越える老舗の蕎麦屋、
岩手では他に盛岡の「橋本屋本店」しか知らない。
わんこ蕎麦の話
昔、南部家の殿様が花巻城下へ寄った。
さて、どうしたものかと恐る恐る、
塗り椀にひと口だけ蕎麦入れて出した。
殿様は、「美味しい、美味しい」と何度もお代わり。
いつか聞いた「わんこそば」の始まり。
一方、盛岡では大勢に蕎麦を振る舞う際に、
のびないように小分けしたらしい。
盛岡と花巻で、それぞれのわんこ蕎麦大会があり、どちらも盛況。
更に仲良く「盛岡場所」と「花巻場所」と呼んではどうかな?(笑)
蕎麦が、今のような蕎麦切りとして始まったのは戦国時代で、
広く食べられる様になったのは江戸時代の中期らしい。
時代劇で、よく見る町の蕎麦屋に徳利と蕎麦。
400年の歴史を考えれば、
信州や甲州と並んで南部藩も早かったのだろう。
大畠家では天ぷら系はなく品書きも少ないが、
カレー蕎麦も人気。
立つ人も多い中をすり抜けて店を出た。
「美味しかった~ もう1枚食べたいなあ~」
と立ち止まる半分本気の顔に、
「もうすぐ、大切な仕事ですよ!」
今日の仕事は、トークショーで、蕎麦の話になったら止まりそうもない(笑)