<音楽が出ます、音量に注意>
夜風が肌寒い、黒タンが恋しくなって「蘭々」の真っ赤な暖簾をくぐった
カウンターに座ってメニューを眺めていたら、
数年前のことを想い出した。
どちらかというとあっさり系のラーメンが好きで、
蘭々では、ワンタンメンか塩ラーメンばかり食べていた。
その夜、
隣のテーブルの二人がどんぶりに顔をうずめる様に食べていた゜黒タン」
水を飲みながら見ていた。
ふと蘇ったある人の顔。
「いっつも、同じものを頼むのね、たまには挑戦しなさいよ!」
カウンターに向かって言った。
「お願いします!黒タン!」
<蘭々の担々麺・黒タン>
レンゲをゆっくり口に運ぶと胡麻の香り。
ひと口飲んでみたら、二杯、三杯とレンゲが止まらない。
美味しかった。
元々しっかりしたスープにすりおろした胡麻の風味が加わる。
蘭々ならではの担々麺。
見た目と違って、後を引かないちょい辛。
なんといってもチャーシューが鳥肉なので、さっぱり。
ニンニクの茎がまたアクセント。
時々、誘惑にかられる「黒タン」
それまで食べていた、蘭々の塩ラーメンは、底まで透きとおったスープ。
<塩ラーメン>
きっとベースのスープが美味しいから、黒ゴマとも合うのだろう。
蘭々の担々麺は、ロックだ~(笑)
定番だった塩ラーメン、ワンタンメンに餃子。
その夜も担々麺に、やはり餃子。
餃子は、見てのとおり外はカリカリで中は、ふわっとして美味しい。
昔は、呑んだ後の〆に来た。
たいていワンタンメンだったと想う。
夜も更けた頃、ネクタイを曲げたサラリーマンで混んでいた。
ラーメンの前に、ビンビール。
あちこちから聞こえてくる。
「あの人は、分かってないんだよな!」などなど。
上司への愚痴や日頃の恨みつらみで日付が変わる。
あの頃は、懐かしいが戻りたいとは想わない。
今では人の言葉を想い出し、小さな挑戦をしてみる心の余裕。
また暖簾をくぐると、まだ8時前なのに、北国、盛岡の夜風は冷たい。
でも、しっかり身体は温もっている。