<音楽が出ます、音量に注意>
ようやく夕暮れの風は心地よく、盛岡は、秋祭り。
ちょいとご無沙汰の老舗蕎麦屋「直利庵」へ。
入る前から決めていた。<老舗・直利庵の「かつ中華」>
「あっ! 食べてみたかったのに」
向かいの人は、注文が被ると違うものにする。
良く分からないが時折、対抗してくる。
妙なところで勝気な人(笑)
「かつ中華と野菜そば、お願いします!」
隣のサラリーマン2人が、ちらりとこちらを見て、メニューを手にとった。
テーブルに置かれると隣からの視線。
小声で聞えないが想像がつく。
「かつ中華だってさ、カツが浸みてブヨブヨじゃないの」
「そうですよね」
なんてところ(笑)
麺を食べ、スープ。
しばらくたっても衣は、豚肉をきつく抱きしめ、離さない。
サクサクのまま適度にスープの旨味も沁み、ますます美味しいとんかつ。
隣の横目は一瞬見開く。
とても美味しくて不思議なかつ中華。
ブロ友で、盛岡に縁がある長野の方が直利庵にやって来た。
以前に載せた「かつ中華」が気になっていたが、ふやけたカツが頭に浮かぶ。
悩んだ挙句、盛岡食いしん爺を信じた。
いやいや明治から続く老舗「直利庵」の味を信じたのでしょう。
メールをくれた。
「時間が経ってもサクサクで、とても美味しかった」
なんか嬉しかった。
いつか、女将さんにふやけない秘密を聴いてみたい。
続いて出てきた「野菜そば」
鰹節、人参の紅、ピーマンの緑そして下に白のオニオンが隠れ更に蕎麦。
麺が見えないほどの野菜の量にまたもや隣は、チラチラ。
因みに二人は、天ざる。
老舗ながら斬新なメニューに、たいていの人は驚くだろう。
「少し、交換してくれませんか?」
と向かいの人。
野菜そばもしっかりとした老舗のタレをベースにアレンジしており美味しい。
大満足の人は、
「老舗ながらも挑戦してる。直利庵、恐るべし」
とご満悦。
彼女は、両方ともしっかり味わった。
「どうして大ブレイクしないんでしょう?」
と聞く。
「すでに知る人ぞ知る人気メニューなんだよなあ~」
傍に高いマンションが立ち並ぶ中、直利庵は伝統を守り、かつ挑戦している。