<音楽が出ます、音量に注意>
2年振りの乳頭温泉へ
盛岡を出て雫石の街を左手に見て西へ走る。
大きなカーブの度に奥羽山脈の懐に分け入ると勾配はきつく、カーブも窮屈に。
長短のトンネルと橋が交互に続く。
トンネルが終われば「峠の茶屋」
汁が浸みたおでんに後ろ髪を惹かれつつ。
<目的の「岩魚の炭火焼き」と」「山の芋鍋」>
駒ケ岳に拡がるスキー場を過ぎ、カーブを二つ三つ走るとホテル群。
もっと先へ。
道幅も狭くなり、カーブもきつい。
乳頭温泉の妙の湯などに向かう道から分岐。
更に道は狭く、対向車を気にしながらのつづら折り。
鶴の湯の1.5キロほど手前にある「別館・山の宿」
豪雪をものともしない太い柱に大きな梁。
足裏の心地良い廊下の突き当りに食事処がある。
初めて来たのはいつだったかな?
十数年以上は遡る。
スキーに取り憑かれていた頃、
ワンシーズンに三十回以上もあちこちのスキー場に出かけた。
湖を見渡すロケーションに捉まった。
田沢湖で滑り、帰りに雫石でナイタースキー。
「よくやるね~」と呆れられていたあの頃に見つけた。
ある日
朝早くから滑り、夕陽に輝く田沢湖を眺めて黒森ゲレンデのコブを下りた。
跳ね飛ばされて左膝がギクリ。
スキー片手に下りたものの靴が脱げなかった。
膝から足首まで腫れ、盛岡まで戻って救急に駆け込んだ。
時々、温泉で古傷を擦る。
今は限界を心得ているが、
あの頃の爆発的なアドレナリンは、どこから沸き上がってきたのか。
懐かしいものの、決して戻りたいとは想わない。
ゲレンデで他人の視線を意識していた頃より、
自分の滑りを楽しむ今がいい。
お膳が来た!
山の芋鍋
囲炉裏に吊るされ、熱々のまま。
山の芋の団子はふわりとした食感。
独自の味噌仕立は、ちょっと甘い香りでとてもまろやか。
いつも鍋は空。
春は山菜、秋はきのこの小鉢でご飯がすすむ。
岩魚の炭火焼き
しっとり、ふかふかの身を引き立てる塩加減。
皮で包むようにして食べる。
普段はあまり川魚を食べないが、
残るのは頭、尻尾を繋ぐ骨だけ。
二年ぶりでも変わらない満足感。
思い立って車で一時間半。
つくづく想う。
「盛岡は、とてもいい場所にある」