<音楽が出ます、音量に注意>
5月のある日の昼下がり
パンの教室を主宰している方を「きじやまカフェ」に案内した。
先生の友達で雑誌を発行している人も連れ立って計3人。
逢う度に、
パンをねだっている。
その日も「沢山焼いてきました!」
嬉しい。
酵母をとても大切にしていて、パンの話になると違う輝きの眼(笑)
恋人に話しかけるようにパンを焼くらしい。
勿論、オーナー夫妻にもお土産なのだが、
緑に包まれたカフェレストランに沢山のパンを持ち込んだ(笑)
一杯ごとに手煎りの珈琲と手作りの優しい味のパン。
とてもいい組み合わせ。
食いしん爺は、黙々とパンを食べ、珈琲もお代わり。
パンの話から、酵母や熟成のこと食器の話、今何をしているか・・・
美味しいものが揃うと話題はとめどなく広がる。
ピアノを弾きに来る人。
ランチを楽しみに来る人や若き詩人。
どんな店なのかと興味津々で訪れる人。
様々な人が集う人間交差点の空間は、いよいよ濃い緑に包まれてきた。
楽しい時間は、時間の流れを麻痺させる。
夏の昼は長いとはいえ、そろそろ。
食パンをほぼ一人占めして家に持ち帰った。
ついつい写真を撮る前に食べてしまった(笑)
優しい味で、丁度いいソフト感の食パンを何もつけずに食べている時、
ふと想った。
縄文の時代
半地下に木枠に土を積み上げてっぺんに木の皮の中で、
森の恵みの木の実を煮たり、
鹿の肉を焼いたり。
彼らがパンを見て驚き、食べたとしたらどんな顔をしたのだろう。
考えていると一人、微笑んでいた。
<一戸 御所野縄文公園にて(縄文遺跡群は世界遺産登録を目指している)>
家の中に籠るいい匂い。
縄文の家族もみんな揃って心の底から笑顔。
できるなら、
純粋な笑顔を見て、その笑い声を聞いてみたい。
「食」は、人間の文化の始まりなんだ。
土器は、一つ一つ見事に美しい。
家々ごとのデザインだったのだろうか。
<御所野縄文博物館所蔵>
縄文の森は豊かだった。
ところで
なぜ、一気に縄文の頃に想いが飛んだのか?
叱られる覚悟で
きじやまカフェの緑の樹々に包まれた家とマスターから連想したのかもしれない。
オーナー夫妻は、畑も耕し、とても美味しい料理作りを楽しんでいる。
美味しい料理、素敵な食器と楽しい会話。
どこか懐かしく心地良い空間を創り出す。
ところで、この曲
マイルスデビスのアルバムには「煙が目に染みる」は見当たらないそうだ。
まあ、よく分からないけれど。
縄文の家族は、煙が目に染みたかかは分からないが、
「きじやまカフェ」での美味しい時間は、自分の心に深く染みている。