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盛岡の県庁と桜山神社の間。
鳥居のあるメインの道から昭和レトロな幾筋もの小路がある。
みんな「桜山」と呼ぶ。
近年は若手も店を開いている。
昔のサラリーマンが多い光景と違い、特に週末は若者で賑わう。
古くからある「モンタンのアラモンタン L」を食べた。
2階からは、正面に桜山神社と城跡の石垣が見え、裏手には堀のなごり。
仕事の合間のランチ。
「どこにしましょう、食べたい物ありますか?」
と聞くと、
「アラモンタンに行きたい」
と4人はモンタンへ。
男は一人だけでLサイズ1、Mが3のオーダー。
ほどなくして、テーブルを覆い尽くす「紅」
「あれ~ 辛そう!」と行きたいと言い出した人。
ちょっとひいた。
恐る恐る「紅」を口に入れる。
「ピリ辛だけと美味しい」にテーブルは、ほっとした笑いに包まれる。
続いて、スパゲティを食べると顔を上げ「美味しい!」
それは5月の大連休明けのこと。
桜山に行く前、光原社の可否館で人と逢った後、ちょっと時間があった。
奥に行ってみた。
大河北上川を見下ろす一番奥に一本の林檎の樹がある。
白い花を咲かしていた。
「林檎の花は、真っ白のイメージだけれど、うっすらとピンクが綺麗なんです」
教えてくれた人がいた。
3歳の女の子が、
光原社で紅い小さな椅子を見つけてしゃがみ込んだ。
「買う!」
椅子を握って離れない。
今にも泣き叫びそうだった。
滅多にないことなので仕方なく財布を開けた。
自分で持つと言って離さない。
大人の差し出す手を振り払う。
アスファルトの道。
抱えては、何度も落とす。
家に着くと満足げな顔が一瞬で泣き声を発した。
紅い脚の一部が欠けて木肌が三角に見えていた。
「どこかに落ちて、待ってる! とりに行く!」
そんな子も一人前の社会人。
アラモンタンのスパゲティは太めで、トマトスープはピリ辛。
チーズとたまに食べるベーコンも美味しい。
ビジュアルは盛岡冷麺に似て、味は独自の個性がある。
どちらの紅にも虜になっている。
しかし、忙しいとかえって色んな事を想い出しては流れていく。
ふと、
人は、意外に激しい紅と林檎の花弁の薄桃色と両方を持ち合わせている。
そんな気がした。