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十月の下旬になって、秋晴れのが続いたと想っていたら雨の日が続く。
窓ガラス越しに浴びる陽光が気持ちよかったのに、雨。
冷たい雨。
気がつけば、セーターを着ている。
あんなに暑い夏だったのに。
エアコンの22度は、不思議だ。
温度設定は同じでも猛暑の夏はとても涼しくて、冬には暖かく感じる。
8月の中旬から、2か月半が過ぎ、神経的な痛みから解放されつつある。
気がつけば10月も終わり。
まだ元気な8月のある晩、久し振りに逢った人と呑んでいた
一軒目は、活きがいい魚と地元の食材を使い美味しいと人気の「里伊」
今年の夏は、ずいぶん美味しいホヤを食べた。
その日も陽が暮れても暑かった。
席について、すぐ、その人が店に来た。
久し振りの挨拶をして座る。
するとこっちを見て、
「変わらないですね」と微笑む。
釜石からの魚とチューリップ(鶏の唐揚げ)などをテーブルに並べて仕事の話が続く。
といっても面白おかしく。
里伊は、ほぼ満席。
スタッフも活きがいい。
それぞれのテーブルはみんな楽しそう。
仕事絡みの話を終え、場所を変えた。
「里伊」から、2、3分歩いて
「ふくろう」へ
この店には、行く度に珍しい酒がある。
肴の目玉は、熟成魚の刺身。
ここで初めて食べた時、とても美味しくて驚いた。
近頃は、例えば秋刀魚定食みたいに、ご飯だけでも食べれる。
8月上旬の盛岡の夏の風物詩「さんさ踊り」に出れなかったと悔やむ女将。
その日は、さんさの最終日。
たまたま太鼓を持ったままの客が来ると女将は、踊りたいと言った。
太鼓の音に合わせて数分踊って満足げ。
躍動的な踊りなのに、腕から先がしなやかだ。
ただ者ではない。
カウンターに並んで
なにかの話題から初恋の話になり、突然、小学生まで遡る。
でも、彼女のほろ酔いの眼を見ていると、ランドセルを背負った姿は浮ばなかった。
盃を空けるたび、彼女の恋はセーラー服になり、スーツ姿になった。
大人なの恋になるにつれ、心なしか早口に聞こえた。
いよいよ今の話になりかけて酒が切れた。
そろそろ解散。
深夜になっても、まだ外気はぬるい。
タクシーに手を挙げた。
次に逢う時は、彼女の未来を聴こう。
真夏に逢って、もうすぐ11月だ。
近いうちに電話しよう。
「これから、してみたいことは?」
と聞いてみたい。