<音楽が出ます、音量に注意>
7月中旬、高校の同級生が集まった
今年も会っている人、一年ぶりの人、何年振りかもわからずに、
しばらくして想い出したり。
それぞれのテーブルから湧き上がる笑い声。
隣同士で話し込む人達。
もう、それぞれのスタイルで楽しめる年齢。
現在と過去が行き来して
「あの頃は・・・」
「今、何してるの?」
行き交う言葉や笑い声の度に時間が行ったり来たり。
夜も更けて2次会、3次会と人が減っていくにつれ、話は今のことになる。
「さあ、そろそろ」
「そうだな」
友達と二人残ってひと息つくことにした。
座り直して会話もゆっくりになる。
しばらくして胃袋が騒ぐ。
会場のホテルでも殆ど食べていない。
「腹減ったなあ~」
その店のママと三人で、深夜まで空いている店に行くことに。
花巻の中華 「山里」
木耳と卵の炒め物とワンタンメンを食べた。
美味しい。
卵のふんわりと木耳の歯ごたえ、流石、看板メニューの一つ。
ワンタンメンも美味しい。
疲れ気味の心身を忘れて夢中。
極細麺はいい、スープをしっかり絡んで口まで連れてくる。
食べ終えて解散。
ホテルの部屋でベッドに転がる。
満腹感に瞼が落ちて来てすぐに、うつらつらの世界。
「立葵の花が、てっぺんに辿りつくと夏が来る」
と教えてくれた人がいた。
あの人は夏をどこで迎えるのだろう。
夢うつつに浮かぶ、
一直線に空を指す薄緑の茎、
桃色の柔らかな花びらが夏風になびく。
立葵の花言葉は、色々あるが「安らぎ」が気に入っている。
てっぺんは、もうすぐ。
だいぶ前の夏
東北自動車道を南に走っている時、
「この辺りには、合歓の木が多いの」と話してくれた人は元気だろうか。
それまでは合歓の花とは知らずに通り抜けていた。
今では見かけると立ち止まる。
「葉っぱがね、夜になるとくっつきあうんだって」
だから花言葉は「仲良し」と話していた。
まだ、夜の姿を見たことがない。
翌日は早めに目覚めた。
8階の窓は東向き。
薄曇りの空の下、花巻の街が眼下に広がる。
帰り支度を整えて今日の予定を確かめる。
部屋のドアを開けると皆の笑い声は遠くなり、
エレベーターを降りるといつもの世界に運ばれた。
誰かが言ってたな、
「過去を振り返っても仕方ない、未来は予測できない。だから今を精一杯生きるんだ」って。
今日は、昼から雨。
平成最後の夏は、もう始まっている。