<音楽が出ます、音量に注意>
昨年の晩秋のこと。
中津川のそば、岩手県民会館の裏手にあるカフェ「カルタ(carta)」で、
窓から見える公園の紅葉を眺めていた。
珈琲を飲みながら本を読む人、何かメモをする人。
それぞれの時間が流れる。
物静かなマスターご夫婦が、その居心地の良い場所の創り主。
その日、ここで手紙を書いた。
いつもより、届く人の顔が鮮明に浮かぶ。
書き出すとボールペンは生き物のように走り、よどみなく書き続けた。
締めくくりの言葉は、「カルタにて」。
ふわりとしたシフォンケーキと美味しい珈琲から始まり、
お代わりは、珍しくミルクティーだった。
隣の人は、ゆっくりページを捲る。
その日、手紙を書き終え、晩秋らしくもの想い。
この場所を借り、撮影したことがあった。
その時の写真が探せない。
もう数年前。
仕方がないので、作った冊誌から撮った。
懐かしさに続いて、作家 五木寛之さんの言葉を想い出した。
「人生は登山で下山の方が大切だと、そして想い出は多い方がいい」
食いしん爺は、その時想った。
人には、各々に頂きがあり、下り始めるタイミングを自分で見定めなくてはならない。
その決断を誤ると転がり落ちてしまったり。
危うくするのも自分。
<場所は、カルタにて(撮影・友達)>
など、想いに耽る。
ミルクティは、実に優しい味がした。
時間って奴は気まぐれで、5分がとても長く感じたり、あっという間の1時間だったり。
アインシュタインの相対性理論は、よく分からない。ただ、時間にはきっと個人差もあり、自分の中でも速さが変ると想うようになった。
あの晩秋の日、
ビジネスモードへの切り替えに苦労して席を立った。
また、カルタの時間に包まれたくなった。
食いしん爺は、あそこの隣のにある駐車所の出口からの眺めが好きだ。
特に緑の季節。
いい光景って、ひょんな場所にもある。
自分の体力、知力が衰えたら、
カメラを首からぶら下げて、あちこち街を歩き回り楽しい風景を見つけたら、
忘れないように写真にしておきたい。そして楽しい時間はメモしておきたい。
そんな暮らしに憧れる。
まてよ、人生という山を下り始めているのだろうか?
「どうしてカルタ(carta)と言う名前なのかって?」
ポルトガル語で「手紙」っていう意味だそうです。
<真夏の頃に撮った駐車場出口からの眺め>
喫茶carta(カルタ) 行かれる場合は要確認。
盛岡市内丸16-16
019-651-5375
営業時間:11時~20時(冬季19時)
定休日:毎週水曜と最終火曜
駐車場なし