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あちこちの夏祭り、そしてお盆も過ぎ、

少し落ち着いた頃、

高校時代の仲間達と逢った。

 

東京から、今年はゆっくり帰って来た友を囲んで、

暗くなる前から、呑み始めた。

その日、

ちょうど花巻の夜空に花火。

 

居酒屋の窓から見えたが、

誰からともなく、皆で、

近くの高台から眺めようということに。

まるで高校生。

 

 

それぞれの、

想い出が、

鮮やかな色とりどりに夜空、焦がして消える。

闇に残る微かな余韻。

 

人生を、

つつがなく暮らすって、難しい。

母でありながら、何年もの単身帰任をこなした人。

脳の腫瘍を切除した女性。

リストラされて、家族と別れ、帰って来た男は、

老いた母と暮らす。

借金して新たな事業にチャレンジしている奴は、

「これからさ」と淡々と語る。

 

でも、みんな集まって、グラス片手に笑ってる。

 

 

 

居酒屋では懐かしさを肴に、はしゃいでいたが、

高台に着くと、

しばらく、黙って花火を見ていた。

たぶん、センチメンタルになったのは、

はしやいだ反動?

冷たい夜風のせい?

 

それだけじゃない。

 

 

でも、

場所を変えて呑み直せば、

想い出話は、

花火の様に続々と。

 

「ところで、東京のA君は、どうしてるの?」

東京から帰省中のS君が、十数年ぶりに呑んだという。

「ロードバイクで、あちこち出かけているらしい」

「へぇ~、逢いたかったわ」

 

彼は、5年前、今年も同級会には来なかったが、

コメントが寄せられていた。

 

「3・11の後、ボランティアで沿岸を訪れていますが、未だにカメラを向けられません」

ロードバイクの話し。

彼の照れ笑いが浮かんだ。

 

沿岸で僅かに残った稲穂を育てた米で、

造られた日本酒がテーブルに載った。

わざわざ店のママが用意していた。

 

何度目かの乾杯の酒は、心に染みる。

 

 

沿岸の話になり、一人想い出していた。

大槌で兄を亡くした人が

お盆に返る度

「まだ、海には行けない、そばに行きたくない。子供の頃、お盆になると親戚や近所の人で賑やかだった。今も、お墓参りすると諦めきれないの」

 

空の向こうで見ている人。

その空の下で故郷を離れ、暮らす人。

 

 

 

 

 

 

 

ふいに、隣から、

「なに考えこんでるの?」

それだけで、みんな笑う。

 

 

3軒巡って、

午前2時過ぎにホテルに着いた。

別れ際に聞いた話しが心に刺さっていた。

「秋に、M子ちゃんの偲ぶ会があるの」

 

彼女からの古びた手紙。

『実はね、夢判断に凝っていてフロイトの分厚い本を2冊も読破したのです。

ところが、それ以来、夢らしき夢を見なくなった。

もっぱら、人の夢ばかり聞きまくってる。ハハハ』

彼女の生きた証。

1人になったのと酔いが、心をとき放して、

目頭は、熱く。

 

 

震災で亡くなった人、病に倒れた人、

命は、花火のように、

夜空に儚く消えた。

 

子供の頃、

墓参りの後は、

親戚みんなで御馳走を囲む。

暗くなったら、

スイカ片手に線香花火。

大人達は、呑み騒ぎ、子供達は、駆けまわる。

台所も賑やかだった。

もう、想い出の中にだけ。

近頃、お盆の季節が苦手になった。

 

 

結局、寝たのは3時過ぎ。

やっと昼頃に起きた。

少し頭が痛くて身体が重い。

 

8月に入り、連日の曇り空と小雨。

気がつけば、

ルハン君も、いまいちみたいだ。

そんな時、入るダンボールは、

断捨離しても、

そのままに。

 

 

自分の、

ダンボールは、どこにあるのやら。

 

さて、昼は、

あっさり系の極細のラーメンにしようかな。