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八甲田、

ロープウェイで山頂へ、

森の中を一気に滑る3.5キロの春スキー、そして温泉とランチ。

その後、弘前へ。

ここ、二十年以上続く恒例行事。

ところが、昨年は、雪が早く溶け、

かなりの距離をスキーを担ぐ事になるので諦めた。

そして、今年、色々あって滑れなかった。

 

でも、やはり春の始まりは、弘前城の桜。

陽が傾けば空いている。

毎年、桜のトンネルのすぐ傍に駐車。

 

「今年は、早いようですね」

「大丈夫、桜のトンネルは、まだ咲いてるよ」

駐車場のお婆ちゃん、今年も元気。

 

圧倒される、

日本画の世界が眼前に怪しく、そして美しく

 

 

堀を囲む桜と岩木山、そして陽が沈むというロケーション。

2人の距離は縮まる。

 

 

咲き誇った桜は、ひらひらと儚げに舞い散ったかと思えば、

堀の水面で再び輝く。

「なんて剛の強いこと」

と傍らで言う人、

大きな瞳の奥に初めて見せた孤独、

闇は深そうだ。

 

 

思わず立ち止まる光景。

でも、2人の向かう視線は、微妙にずれている。

 

 

今年は、何故か、カップルが目に止まる。

背の高い同士の僕達は、どう見えるのだろう。

 

 

ここの桜は、桜の向こうに桜が見えるだけじゃない。

広い堀の水鏡に桜。

 

 

 

ボートを漕げは、下から見上げ、桜の枝に触れながらゆっくり進む。

 

 

 

 

江戸時代の初期、こぞって大名は、巨大な城を築く。

あちこちで、それは賑やかな事だったろう。

戦の費用が築城に。

考えてみれば、戦国時代の戦に費やす金子は、とんでもない額だったはずだ。

商人の力が巨大になる訳だ。

 

 

この城の天守は、一度焼け落ちた。

当時の大失態。

徳川家から姫を頂き、何とか再建が叶った。

しかし、三層で当時の櫓を基にしたらしい。

今は、移設され石垣の修復中。

 

 

弘前の人々が守り続けて来た城に桜を植え、矮化の技術が、

地を這う様に枝を伸ばした。

そのお陰で、すぐ眼の前で花を愛でる。

 

 

弘前では、夕食は蕎麦が定番だった。

今年は、目に止まったイタリアン。

「トラットリア LIPAGIO(リバージオ)」

LIPAGIOは、じょっばりを逆さまにしたとの事。

津軽は、剛が深い?

 

 

 

このサラダ、13種の地元の野菜ときた。

実に美味しく、

「あっ」という間。

「こんなにサラダを凄く美味しく食べたのは久し振り」

それは、良かった。

 

 

青森県産ごぼうのスープ

 

 

この自家製のパン。

ジャガイモのパンをお代わりしたら、

次は、パセリのパンまで登場。

料理が並ぶ前に、オリーブオイルが減る。

 

 

 

 

「三重県産松阪ポークのグリル」と「ポモドーロ モッツアレラ」

 

 

 

「美味しい」

この人とは、イタリアンで正解。

 

 

弘前の夜は、美味しく過ぎた。

 

夜の東北自動車道を盛岡へ。

「なんだか、懐かしい感じがする街だったわ」

彼女に弘前の想い出を話す。

昔々、大学受験の合否通知の電報は「サクラサク」か「チル」

受験で泊った宿は、4人部屋。

1浪の人に、

「先輩に、お茶を入れてあげてくれ」

その先輩は、3浪。

「いや、いいよ、気にしないでくれ、現役君」

と言われた。

医学部は大変だと思った。

受験は2日間。

翌朝、

「おい、現役君、時間だぞ」

「はい、ありがとうございます。行っててください」

と返事をしたが、

仲居さんの怪訝そうな顔をよそに、ゆっくり朝御飯。

3月でも、緩んだ雪が街を覆っていた。

店の屋根が突き出て、歩道部分が囲われ、延々と続く。

小店という。

昼でも薄暗い中を歩き、駅に向かった。

 

「えーっ、途中で帰っちゃった?」

少し、元気になってくれたのは、話を聞いたから、

じゃなくて、

桜と美味しい時間のせい。

 

あの年の春、桜は、散り続けた。

「サクラチル」

 

 

 

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