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クリスマスイブの午後、諦めていながらもドイツ菓子の「マイヤーリング」を覗いてみた。

やはり、次々と引換券らしきものを手に手に来ては大切そうに可愛い紙箱を抱えて行く。ガランとしたショーケースの中には、少しのプリンだけが並ぶ。それも次々と包まれている。

「そうだ!」シュトーレンにしよう。

すぐ手に取ってレジに並んだ。これでよし。

シュトーレンを助手席に置いて岩手山麓に向かった。

滝沢市、柳沢の県道を西へ。

カーブを過ぎる度に岩手山が迫力を増す。白の世界は麓にまで、冬を眼と肌で感じる。漆器の工房に寄ってみた。買い物して一休みさせてくれた。この「栃の実」の話はいつかまた詳しく。手造りの干し柿は、甘さ控えめで美味しい。クリスマスの心地良いおもてなし。

 

 

 

 

栃の木を使って作られる漆器は、軽くて何より温かい。

 

 

外は、早くも暗い。こんな中にある夫婦二人きりの工房。

 

 

盛岡の街に戻ると開運橋やビルの灯り。人工的な灯りもそれはそれで綺麗だ。

でも、自然は寂しくも嬉しくもあり、心動かされてもすぐに落ち着く。

 

 

さて、まずは腹ごしらえ。盛岡の大通りと菜園の通りの中ほどにある「空」に向かった。

流石に家族、カップル、仲間と賑やかだ。

まずは、冷菜とスープ、そして、食いしん爺は、何処の中華料理店に行っても酢豚。中華とくれば爺に酢豚は必須。ジューシーな肉と玉葱がサクサクとして甘酢に絡まり美味しい。

 

 

 

烏賊好きにはたまらない。香辛料が効いて烏賊は、柔らかで美味しい。

 

 

 

デザート系に移る。

盛岡の林檎を飴で仕上げた逸品。初めての味に食いしん爺、ちと興奮気味、ただ黙々と。

 

 

滑らかな杏仁豆腐で〆る。紙ナプキンで口を拭き、ニンマリ。

 

 

いよいよ、人生初のシュトーレン・クリスマスの始まり。

包みもお洒落でクレリスマスっぽい。

 

 

本来は、毎日、クリスマスに向けて少しずつ食べるものらしいが、大胆に切る。

この、風味がたまらなく好きだ。

ドイツでは、少しずつ果実の風味などがパンと一体になって行くプロセスを楽しみながら、日毎に近づくクリスマスを待つらしい。和風の短気、食いしん爺は、買ったら食べる哲学が身についている。

 

 

ドイツ菓子のマイヤーリングらしい美味しさ。

 

 

こちらは、3日前の「麦の粒のシュトーレン」 すでに半分未満。これでも我ながらよく耐えた。

これもまた美味しい。

 

 

「麦の粒」のパン菓子的で爺の好きな木の実などがたっぷり。これは、また美味しい。

 

 

2種類のシュトーレンで楽しんでみた今年のクリスマス。それぞれの個性を味わう贅沢。

こんな感じもいいかもしれない。

 

日本の洋菓子は、フランス(シュークリーム、スフレ、マカロン、マドレーヌなど)イタリア(ティラミス、ジェラート、パンナコッタなど)それにドイツ菓子などヨーロッパが発祥のものが多い。日本の食べ物も鮨をはじめ和食が海外で食べられているが、和菓子はどうなんだろう?

しっとりとした物から、カリカリの煎餅まである。日本の食のバリェーションが幅広いのは四季のせいでは、と思う。では、海外の人達にはどう映るんだろう。

それからフランス料理、中華料理、イタリア料理そしてアジアの料理、いやはやなんでも気軽に食べられる日本。そして、アツアツのご飯と青海苔の佃煮だけでも2杯はいける。「さて、明日は、何を食べようか?」と考える幸せに感謝したい。

 

ところでクリスマス。

といえばプレゼント。その思い出といえば、小学生の頃、朝にリボンのかかった包を見て跳ね起きた。ドキドキして枕もとの包を開け、結んだ紐を強引に引っ張る。しかし、出て来たのは、ノートと六角形の鉛筆。小学2年生につきつけられた現実。「勉強しなさい!」

クリスマスには「夢と浪漫」がなくては。それからクリスマスの楽しみはケーキだけになった。このお陰で食いしん爺は、プレゼントアレルギーになってしまった。

近頃、サンタの気配すら感じなくても美味しいクリスマスで十分満足。そして、それぞれの味、色々な想い、折々の風景があるものだと感心しきりの爺のシュトーレン・クリスマス。

 

<追記>この記事のアップの日、音楽で使っているワムさんのジョージ・マイケルさんが逝ってしまいました。御冥福をお祈りします。いい音楽をありがとう。