バドミントンは、真夏でも体育館の窓を閉めて暗幕まで張る。先週は、いきなり木、土に練習し日曜は試合に出た。蒸し暑さに身体はボロボロ。
その翌日のこと。朝から探し物も見当たらないし、よろしくない電話は来る。それに、寝ぼけて顎をぶつけて歯の具合が悪いと散々な朝だった。その日、人と逢う約束があった。
そもそも爺が高校時代、体育で自分の口と級友の額とが激突。顔を歪めながら口の中の異物を手の平に吐き出すと血に混じり、数個の欠片が出てきた。級友の額にも歯が2本刺さっていた。それからというもの林檎をガブリとできなくなった。その後、ラグビーも15年ほど続け、さらに歯を折っているのだ。
昼前に、久し振りの人と会い話していると心は穏やかになった。しかし、口は重かった。
その人から頂き物をした。
「冷やして飲んでください。」とさりげなく置いて行った。
爺は包を開けるやいなや、すぐ口に入れ、急いでグラスを持ってきて常温のまま飲む。五感が目覚めた。とても美味しい!
包の一つは、長崎の「和泉屋」のカステラだった。
専用の卵を使い、熟達した職人の作るとても美味しいカステラだ!
この落ち着いた包装からして「美味しい」を予感させる。
しっとりとして、ほど良い甘さが口の中で拡がる。作り手の想いが伝わってくる。
とにかく綺麗だ。
飲み物は信、州の厳選された完熟トマトで食塩なしのシーズンパック「信州トマトジュース」ともう一瓶。長野の林檎の「混濁ふじ」だった。
トマトジュースは、トマトそのものの味と香りがする。一口飲む度に身体が元気になる様な気がする。
ムム、やはり、どこからともなく現れましたな~
離れないなあ~じわじと近寄り、見つめています。
だんだん真剣になってきた。逸品に目をつけるとは、たいしたものだ。
この凄い集中!
こらこら、だめだよ!
あれ? アメショウ君の狙いは、それでしたか~ また玩具が増えた。
何せ、この色、柔らかな紅いの輝き。
林檎ジュースは、ふじの甘さをたっぷり詰め込んであった。
これも一口ごと、薫る林檎がとてもいい。混濁のコクをじっくり味わって飲む。美味しい!
いったい、どこで見つけたのだろう。
普通の朝なら色々と質問責めだったはずだ。今度、ゆっくり聞いてみよう。
じっくりと想いを込めて作られた物は、人を笑顔にする。食いしん爺は、片手にカステラ、もう一方に林檎ジュースを持ってニンマリしている。ちょっと不気味な光景だ。朝から嫌な日だったが、いただき物に大感激し、心弾む美味しさにテンションは急上昇!
しかし、丹精込めて作られた物は見た目も綺麗に仕上がっているものだ。じつは、持って来てくれた人はなかなかの美魔女なのだ。
PS
食いしん爺のお礼のメールに返信がきた。
「帰り道に、「お子様みたいな組み合わせだったなぁ」とちょっときになっていました。「カステラ」と「渋めのお茶」がベストでした。」
爺のテンションは、更に上がる。