盛岡から、車で1時間半ほどで秋田県は、仙北市の角館に到着!
バイパスに入らず、街の方へ左折。 角館高校辺りで渋滞に捕まった。さすがに
月曜日でも混んでいた。
早めに左折して街中に。角館は城下町の街並みが色濃く、道は狭く一方通行も
多いので注意が必要。メインの通りをはずし、遠巻きに川の西側に、川の向かい側
から「観桜」する。
堤防沿いに大きくカーブしており、桜の線が繋がっているように見える。川と桜の
見事な曲線美。そして青空。すぐ頭の上にも桜。風に吹かれて、ひらひらと桜が舞う。
角館、武家屋敷街は案の定人の波。今日は、よく晴れ美しい日本日和。遠巻きに
一巡りお花見をして西宮家の裏道(一方通行)を南に下る。
目指すは、安藤醸造本店。
1時半過ぎに着いたが、臨時駐車場は空いていたが、店の中には多くのお客さんが
いてレジは賑やかだ。
江戸時代から大地主だった安藤家では、小作米の一部を原料として味噌を醸造し、
醤油も造るようになっていく。しかし、醸造技術の習得、研究は大変だったようだ。
当初は常陸の国(現 茨城県)まで行って研究し工夫しては改良して「味」が造られる。
食は「文化」だ。味噌、醤油は味の基本。
風土は、そうして熟成していくものなのだとつくづく思った。
しかし、明治の大火で建物を焼失してしまう。現在の建物は、明治に建築され「蔵の
町、秋田の増田町」でも見たが、建物の中に耐火構造の蔵がある。
戦後、の農地解放や専売制度などにより、安藤家は、味噌、醤油、漬物の製造に
専業するようになった。
不思議に思ったことが2つある。
「あの、町屋というか商家というか・・・ようは、通路がずいぶんと広いですね?」
「はい。米を運び入れる通路だったことと冬に、今は、それほどでもないですが雪が
多く、冬場に広い通路を作業場としても使ったのです。」
「なるほど、それから、どうしてあんなに蔵の壁が鏡みたいにツルツルなんですか?」
それには、秘密があった。後ほど。
買ったものを包みながら、笑顔で親切に説明してくれた。
これは、ついつい見とれて買った「きんしうり」酒どころ秋田の酒粕漬け。
美味しいとは、「美しい味」と書くのです。
なんと、この煉瓦(レンガ)づくりの堂々たること。
中が蔵座敷になっている。明治の大火で焼失し、結婚式を挙げる座敷がなくて
困ったので5年の歳月をかけて耐火性の蔵の中に広間を造った。そして完成後、
早々に結婚披露宴を行い、その後も安藤家では代々ここで披露宴をしている。
蔵座敷の入り口。
その日は、五月の節句の飾りが展示されいてた。
矢が飾られていた。
襖絵も24枚。
同じ建物の中の別の蔵。「文庫蔵」
なせ゛、これほど、まるで鏡のように光るのだろう?もう一つの不思議の答えは・・・・・
それは、石灰などに色々なものを混ぜて塗り重ねて仕上げに、なんとガラスの原料
の雲母を混ぜて磨き上げたのだ。耐火という実用性と美術的にも素晴らしい。
今では、再現するには原料の調達が難しいうえに左官技術的にも相当難しいのだ
そうだ。
今は、文庫蔵で漬物とみそ汁を試食しながら一休みできる。
これだけ、見て回ると品物に俄然、説得力がある。
本当は、「出汁」2本を買いに来たのだが・・・・・(笑)
代々と受け継がれてきた「食文化」が、目の前に並んでいる。
この角館に1年半前に、仕事で来た。正確にいうと寄り道。
角館の先にある仙北市のホールに行くことになっていた。
4月から静岡に花嫁として旅立ったエイミーちゃんと2人で「わらび座」さんの公演の
「ゲネプロ」(演劇では、本番と同じに上演。止めたりしない。)に呼ばれ、途中、角館て゛
「稲庭うどん」を食べたあと、留守番役の一ちゃんとそうさんにお土産を探していた。
ある店で稲庭うどんの切れ端が安くてかなり大きな袋に入っていたのを見つけた。
お土産は、決まり。
「でっかくて、驚くぞ。なんだろう?ってね。ところでエイミーさん、待ち合わせは2時
だよね?」
「違います。ボス。2時30分ですよ。」
珍しく、断定的に言う。その勢いに押された。
「そうだっけ。じゃあ、まだ、1時45分だから、一息ついて出発しようか」
ここから、そのホールまでは、15分ぐらいと聞いていた。
それぞれにお土産選びをしていると、爺のスマフォが震えた。
「はい、2時20分には着く予定ですので・・・・・・・」
急に、エイミーちゃんが
「すいません! ボスのおっしゃるとおり、2時でした!」
結局、たった2人のために、ホールでわらび座のスタッフや関係者100人以上の
皆さんを待たせてしまった。
たった2人の遅刻が、ゲネプロの開始を10分以上も遅らせた。最悪。
2人で誠心誠意謝った。でも、皆さんは、本当に温かく迎えてくれたのだ。
遅刻の思い出をしまい込んで買い物もし店の玄関に向かった。
この沢山の太い梁が安藤家の骨太の歴史をしっかり支えている。
味噌醤油、漬物の製造に使っている井戸の水。
店の前の桜は、散り始め手で葉桜になりかけていた。
淡い桃色と新芽の薄緑も気持ちがいい。
桜の名所、角館の桧内(ひない)川沿い。
この桧内川の曲線が桜の美しさを際立たせている。
漬物、特に「きんしうり」を見て試食までしたせいでお腹がすいた。
盛岡に向かい、少し北に走る。
大仙市の西木村の産直、道の駅みたいな場所に行ってみた。
カタクリの群落と「西郷栗」と冬の「超大型 紙風船」で有名なところだ。
クリご飯定食があった。
デカいなあ~
地元の皆さんが作っているトン汁。地元の野菜がお椀いっぱいに。
「西木の紙風船は、どこであげるんですか?」
「う~ん、こっから、まだまだ30分も山さ登るよ」
ちょっと迷ったが、ちょこっと行ってみた。真冬に来る下見だ。
冬空にゆら~っと上がる巨大紙風船は、幻想的に違いない。
西木から田沢湖に抜ける。
西木から来て田沢湖の手前の産直の辺りの桜の写メ。
これからが見ごろだ。
「帰り道は、寄り道し放題!」
雫石でパンを買う。「ネージュ」で。明日の朝のパンだ。
そして翌朝は、パン!
今回初めての「オレンジパン」
クロワッサン。
一口パン。
その日の、ランチは自家製和食!!
ただただ、安藤醸造の漬物があればいい!
「きんしうり」 上品な香りと見事な歯ごたえ。
「なすのからし漬け」 美味しい。ご飯がすすむ。
そして「からし漬けのきゅうり」 さらに御飯がすすむ。
あとは、岩手県の奥州市の正法寺の梅干しが飛び入り。
軽めにもったごはん3杯。頂きました。
美味しかったなあ~
海外の人達と、この美味しさと幸福感は分かち合えるのだろうか?
ところで一緒に遅刻したエイミーちゃん元気かな? メールしてみるかな。
いやいや、便りのないのはなんとか、静岡はもう暑いだろう 陽射しに負けじと
お熱いことだろう(笑)
火傷するからやめよう。