盛岡にある擬宝珠の橋は、中津川に架かる「上の橋」と「下ノ橋」その名のとおり、上流にある
上の橋から、ちょっと行くと「正食普及会」の建物のすぐ裏に蔵がある。
2階建ての白壁の蔵だ。
隣の黒漆喰の蔵と対照的だ。

「どのぐらい経っているのですか?」
「江戸時代からで、230年ぐらい前らしいです」と店の方は答えてくれた。
一階は「彩園子」というギャラリーになっていて画材なども並ぶ。
スリッパに履き替えて階段を登る。
ギシッ、ギシッと一歩ごとに鳴る階段。この、一茶寮の入り口となってる階段がいい。
二百年を越える時間を支えてきた逞しい梁。堂々と落ち着いた雰囲気で2階には
何があるのだろう? どういう感じなのだろう? と初めての人はそんな風に思うらしい。
土器や色々なものが飾られている。
2階に上がると屋根は高く、広々としているのです。
ゆったりとした空間のあちこちに展示してあるものや本がたくさん置いてある。
階段を登りきったところで
「ゆっくりどうぞ」と言われるている様な気がする。
多くな木のテーブルは、向き合うと10人は座れるぐらいの広さだ。
今日は、椿の前に陣取った。
始めに、さ湯が出てくる。
「決まったら、呼んでください」
「もう、決まってます。中国茶と蒸しパンセットでお願いします」
「中国茶もセットにしますか?」
「はい、腹ペコなので」
ニコニコしてカウンターに戻るやいなや、階段を降りて行った。
爺は、知っている。
隣の「正食普及会」に買いに行くのだ。
今日は、久し振りだが始めて来たのは、もう、30年前の話だ。
この大きな木のテーブルを挟んで、色々な話をしたものだ。
思い出の詰まった空間だ。そのまま変わっていない。
懐かしんでいると時間の感覚が無くなる。
蔵で小さな窓しかない。外は、久し振りの快晴なのですが。
中国茶です。
「ミニ肉まん」がついてきます。
爺にとっては、ミニ肉まんじゃないです。充分レギュラーサイズです。
アツアツ、ホクホクで、中国茶と丁度いい具合の関係。
そんな関係の人とよく話し込んで、時間を忘れたものだ・・・・
爺の「青春のカケラ」が落ちているかも。(笑)
大きな木のテーブルを照らすのが、「これ! 下の写メ」
また、この灯りが、実にいい雰囲気を作っているのでしょうね。
蒸しパンがきました!
ふかふかです。パンがもちっ~と伸びます。
今日の爺の遅めのランチは、「蒸しパンとミニ肉まん」
それで、爺にとって、たまらないのが、セットのこのスープ。
これが、とても優しい味で、美味しいのです。
蒸しパンセットが大好物なのです。
そして、ゆっくり珈琲を飲んで、また、思い出に浸るのです。
この蔵が建てられ、2世紀をゆうに経ている。
それでも、まだ、ギャラリーやカフェとしてまだ現役。そして魅力的。
昭和レトロな「花巻のマルカン大食堂」や「盛岡バスセンター」などが消えてしまうそうだ。
建物の老朽化、事業の採算性・・・・・
黒漆喰や逞しい梁の白壁の蔵には、まだまだ現役でいてもらわないと。
一茶寮を出ると
「あっいや~しばらく」
「どうも、ご無沙汰してました」と爺は頭を下げた。
代々、この辺に住んでいる方とバッタリと出会った。
しばらく話を聞くことが出来た。
この一帯は、今は駐車場などになっているものの、大きくて立派な蔵が何棟も建ち
並んでいたのだそうだ。
話している方の目の前には、まるで江戸時代の盛岡の上の橋界隈の光景が、広がって
いるかの様だった。
人々が代々、大切に守り続け、伝承されてきたものには、魂の様なものが宿っている
様な気がしたのです。
とにもかくにも、盛岡は魅力的な場所が山ほどあると思う。
東京と函館の真ん中!
「ちょっと、より道・盛岡!」 「もっと、より道・盛岡!」