東京から函館へ新幹線で4時間半の時代が来る。
盛岡は、真ん中。
東京から、北海道から行きでも帰りでも「ちょっと寄り道・盛岡」です。
駅前には、20階を超える高層マンションが立ち並び、開運橋を渡って来ても現代的な
都市の姿になっている。
ところが、更に中津川を渡ると様相は一変する。上の橋、与の字橋、中の橋、下橋の
いずれを渡っても街の時代が変わってしまう。
河北に対して河南と言われる、この一帯は、ゆっくりと時間が流れる錯覚に陥る。
この、河南にあるバスのターミナルが「盛岡バスセンター」だ。
ただ、この向かいに対照的にピカピカの現代的な高層マンションが建った。
バスのターミナルだけあって交差点は、バスが多い。
さて、「バスセンター」のドアを開けると空気が変わる。
多くの人が乗り降りして人が沢山行き交う時間帯でも、その空気は変わらない。
ここは昭和そのもの。
ラーメン、蕎麦からたこ焼きまで色々。
ここにひかれる人は多い。
窓の向こうではバスが出入りする。建物の中では、バス出発のアナウンスが続く。
めっきり、見なくなったが現役で並んでいる。
自動販売機の並ぶ後ろに、空間がある。
空間の仕切りは、自販機。
入る時、少しワクワクした。ちょっとした隠れ家に忍び込むようで。
席に座ると「ホッ」とした。いや、実にくつろげる。
肉まん・あんまんの保温器械の裏を初めて見た。
隠れ家から、入り口を振り返るとこんな(下の写メ)感じです。
ゆる~くカーブしたカウンター。
珈琲を頼むと「ん?」 蜂蜜がたっぷり。
せっかくなので蜂蜜を入れる。入れながら写メを撮っているとトロ~リ、トロトロと
沢山珈琲の中に消えた。
「あれ~」
「どうぞ、たっぷり入れてどうぞ」と言われた。
あまりかき混ぜず、底に溜まった蜂蜜を楽しんだ。
ちょっと入れすぎたかも?(笑)
でも、トロ~リとして美味しい蜂蜜だった。
お金を払おうとして、カウンターの棚にカップラーメンが各種並んでいた。
う~む、もしや?
「このカップラーメン、ひょっとしてここで食べられるんですか?」
「はい、カウンターで食べられます、ぜひどうぞ」と言ってニコニコとしてくれた。
いやあ、今度食べてみようと思った。
「こんど、来て食べてみますね」
「はあ~い、お待ちしてます」
ドアを一歩開けると、現代の空間に放り出された。
花巻の「マルカンデパートも閉店。名物というか天然記念物のように貴重な大食堂
もなくなる記事が載っていた。あの割り箸ソフトもラーメンも数多くのメニューも消えて
しまう。
この「盛岡バスセンター」も色々話があるようだ。
向かいの現代的な建築を好む人やレトロな空気が失われることや、この街の時代は
どう移ろっていくのだろう。
沿岸の街が復興に向けてゼロからの街作りを頑張っている。
街づくりは、一人一人の暮らしの場であるだけに、沢山の意見がある。あって当然なの
だろう。
とにかく爺は、河南の歴史ある建物や懐かしい光景と人々の暮らしが作っている
空気感を訪れた人に感じて欲しい。
「ちょっと寄り道・盛岡」
訪れた人々が、また違う眼で見てくれるかもしれない。