お久しぶりです。1年振りの更新となります。 

初期のおすすめミステリー作品でも紹介しようかなと思っていたのですが、

 急ぎ朗報がございます!! 

 

今月ドコモの電子書籍配信サイト『dブック』にて、灘しげみ作品が大量に追加されました!

 パソコンに対応していない為、スマートフォンorタブレット端末が必要なのがネックかな。

でも 8~9年前にガラケー向けに配信していた内容とほぼ変わらない様子ですよ♪

 

 過去に電子書籍化された作品のうち、『青き伝説の島』以外が今回配信されてます。

 けれど『青き伝説の島』も他の単行本に比べれば、古書店で入手し易いタイトルなので問題無いと思います。 

 

現在絶版の単行本『燃えよ!スマッシュ』(学習研究社/テニス)や

 『ピンチにお願い!』(ひばり書房/野球)

(漂い鳥あいつ・白衣の夢みつけた!・バラの咲く村 併録)に加え、

 単行本未収録の19作品も含め、計24作品が追加されております! 

貴重な作品や話題作も有るので、ぜひ読んでみて下さい。 

 

順次、追加タイトルと簡単な紹介をしていくと、

 ・『栄光のシャトル』(バドミントン)(白いファンタジー(フィギュアスケート)・炎のスマッシュ(テニス)・ファイナルセットにかけろ!!(テニス) 併録) 

スポーツモノ4作品で纏められています。

特に『栄光のシャトル』は『栄光のストローク』『栄光への出発』と並ぶ栄光三部作の一つで、

2話完結と短いのですが、やはり熱い作品です。

 『炎のスマッシュ』『ファイナルセットにかけろ!!』両作は一応読切なのですが、主人公が同じ女性でして、これまた熱い作品ですね。 

 

・『わたしの胸に顔がある』(ミステリーロマン)

(黒い迷路・ようこそ人形館へ・呪われた指輪 併録)

 いずれもミステリー4作品となります。 

『わたしの胸に顔がある』は連載時本格的ミステリーと言われた作品で、

かなり気合い込めて描かれておりオススメです。 

『黒い迷路』は沖縄諸島を舞台にした幽霊探検記で、

『バラの咲く村』のように、灘先生ご自身が作品内に登場する数少ないタイトルの一つ(笑) 

『呪われた指輪』は、ちゃお増刊で最後に掲載された読切作品です。

発行部数が少ない為か当該掲載誌が現状入手困難であり、読む事ができる又と無い機会です。 

 

・『オホーツクの翼』(動物感動モノ)

(サーカスっ子物語(動物感動モノ)・あしたをのぞいた風子(ミステリー)・あたしが二人いる(ミステリー)・たそがれデートに気をつけて(ミステリー)・切れた秘め琴・時の小壜(ラブロマン) 併録) 

『時の小壜(こびん)』は、講談社の女性週刊誌に掲載された作品で、先生としては珍しい。

内容も他より少し上の年齢層ハイティーンを意識されて描かれた感じがします。

他の作品は全てちゃお増刊掲載分です。

 

 ・『もう…悩んじゃうわ』(ラブコメディ) 

たけのこ族とか、当時を感じさせる内容で、中学校新聞部の二人が繰り広げるコメディ作品。

中学三年コース連載作品ですが、この時期の掲載誌は高いプレミアが付いており、

こちらも入手自体が大変でして、手軽に読むチャンスです。

 

 ・『渇愛(タンハー)』(SFロマン)

ちゃおに連載されたSFモノですが、最後まで不思議な内容でオススメ作品です。 

 

・『トビウオなっちゃん』(水泳)

小学三年生に連載された小学生向けのスポーツモノですが、灘作品らしさを感じます。

『渇愛(タンハー)』連載中に連載開始しています。

 

 ・『アタック! 純』(バレーボール)

こちらも小学三年生掲載で、『トビウオなっちゃん』開始から4年後に連載開始されたキャリアにおいて晩節といえる時期の作品です。

 

 ちなみにWikipedia内の単行本未収録作品リストは、作品が発表された時系列順で記載しているので、 古いモノから読みたい時などの参考になるかと思います。 

 

 時間経過により、以前紹介した記事に変更点ができましたので、下記に記します。

 

 2019年4月30日現在、下記4タイトル9作品は、電子書籍での販売が現時点では無い為、

読むには紙の単行本もしくは掲載誌を探すしかありません。

 ・『あの空に打て』(若木書房/ソフトボール)

(ハイジャンプに命を!(走り高跳び)・わたしのジュピター(警察犬モノ) 併録)

 ・『時のかなたに』(小学館/SFロマン)

(まぼろしの蝶(ホラー)・青い花は咲かない!・地の底からの呼ぶ声は・・・(ミステリー) 併録)

 ・『青き伝説の島』(スタジオシップ/ラブロマン)

 ・『スター誕生物語』(小学館/ゲームブック)

 

では今回これにて。 

新たな令和時代の幕開けに乾杯!!

 

※2019年8月10日 一部文章加筆修正しました。

 

※2019年9月5日 追加情報

NTTグループが運営している、コミックシーモアのアプリでも

『渇愛(タンハー)』等が現在読めるみたいですよ!

5月11日発売(5月25日初版発行)の新刊本に、

なんと!!灘しげみ作品が掲載されておりましたので、急遽ご紹介します。

http://tkj.jp/book/?cd=TD282255&path=%E6%9B%B8%E8%AA%8C&s1=

 

 

宝島社『このマンガがすごい!』の編集部から、大人の少女マンガ手帖シリーズとして、

1960年代後半~70年代に人気を博した「熱血スポーツ少女マンガ」に焦点を絞った、

懐かしさあふれるマンガガイド本で、アニメ・ドラマなどのメディア化で広く知られる

『エースをねらえ!』『アタックNo.1』『サインはV!』等を中心に全86作品掲載されています。

 

 

『コートの嵐』『栄光のストローク』『燃えよ!スマッシュ』『逆転ラブ・スマッシュ』が

灘しげみ作品として、書影とともに紹介されました。

特に『コートの嵐』と『栄光のストローク』はフルカラーで大きく取り上げていて、

スポーツマンガといえば灘しげみ、ひだのぶこ、上原きみこ を思い浮かべるような

少女コミック派だった方も納得できる、幅広く公平なラインナップです。

また、文字で少しだけですが『栄光への出発』に関しても言及されていました。

 

 

巻末には、これまで未収録の『エースをねらえ!』番外編読切マンガが特別収録!されており、
さらには、山本鈴美香先生、浦野千賀子先生の作品秘話インタビューも初掲載されたため、

老若男女問わず少女マンガファンから注目されており、結構売れているようです。

これまで灘しげみ作品を知らなかった層にもアピールでき、

興味を持って読んでもらえる一助となりそうです。

 

唯一の不満は、バレーボールマンガの紹介作品の中に、

週刊少女コミック誌で大人気連載された『勝利にアタック!』が全く触れられていない事です。

単行本未収録で当時後発とはいえ、灘しげみ出世作だけに言及だけでもして欲しかった…

 

奥付の参考文献には、いずれも少女マンガ史を語る上で納得の本が並んでおり、

特に『別冊太陽 子供の昭和史 少女マンガの世界Ⅱ』は、

米沢嘉博が構成に全面協力し、灘しげみ作品もしっかり掲載された数少ない名著であり、

『フラワーデラックス 上原きみこ 愛とロマンの世界』は、

灘しげみさん自身のお写真とメッセージが掲載されている貴重なムックです。

(お写真が掲載されているモノは大変少なく、他に2つしか私は知りません)

 

大抵は、ありきたりな作品に終始しがちなスポ根モノの特集が多い中、

この本は少女マンガ史をきちんと調査し事実を踏まえた上で、

灘しげみ作品を正当な評価で紹介しており、まさに待望の一冊でした。

このマンガがすごい!編集部さんに、今回感謝を述べたい。本当にありがとう!

 

長いことスポ根モノは少女マンガ研究が進んでいませんでしたが、

東京オリンピックも今後控えており、最近は再評価される機運が出てきている気がします。

 

ではまた、次回こそ個別の作品紹介で。

これから、灘しげみさんの作品紹介をしていくにあたって、

記念すべき第1回目は、コミックスについて書こうと思います。

 

灘 しげみ 名義でのコミックスは全部で12タイトル20冊出ています。

一番最後に出版された本が1987年で、すでに30年以上経過しており、残念ながら現在全て絶版、紙の本を読むには古書を入手するしかありません。

ですが電子書籍として、『スキマ』 という正規配信サイトにて、下記5タイトル10作品(コミックス11冊分、全て若木書房発行)が、無料で読めます。

『コートの嵐』1~3巻(テニス)

『栄光のストローク』1~3巻(水泳)

『栄光への出発』1~3巻(バスケットボール)(雨あがりのライバル(新体操)・燃えるライバル(スピードスケート)併録)

『逆転ラブ・スマッシュ』(テニス)(雪原の夜明け(アルペンスキー) 併録)

『モカのかおりは・・・』(サヨナラさしすせそ・蜂っ子菜っちゃん 併録)

 

このうち、『モカのかおりは・・・』以外の10冊は、全てスポーツ漫画ですが、

いずれも大変熱すぎる程の代表作で、魔球とか必殺技とか好きな方には、特にオススメです。

 

『モカのかおりは・・・』は、喫茶店を舞台にしたハートフルな作品。

連載開始時の雑誌編集部記者のコメントに、「きっさ店はその町の応接間・・・。そこに集まる人びとが持っているそれぞれのドラマを気持ちをこめてかいてみよう・・・、そんな熱意がこの力作を生み出しました。コーヒーの暖かみは、人間の心の暖かみを伝えるものだと思います。」とあります。

 

あとは、ドコモの電子書籍配信サイト『dブック』で、女性中学校教師が主人公の学園モノ作品『出席をとります』1~3巻(ひばり書房)が、有料配信されています。

 

残りの下記6タイトル14作品は、紙の本を探すしかありません。

 

『あの空に打て』(若木書房/ソフトボール)(ハイジャンプに命を!(走り高跳び)・わたしのジュピター(警察犬モノ) 併録)

『燃えよ!スマッシュ』(学習研究社/テニス)

『ピンチにお願い!』(ひばり書房/野球)(漂い鳥あいつ・白衣の夢みつけた!・バラの咲く村 併録)

『時のかなたに』(小学館/SFロマン)(まぼろしの蝶(ホラー)・青い花は咲かない!・地の底からの呼ぶ声は・・・(ミステリー) 併録)

『青き伝説の島』(スタジオシップ/ラブロマン)

『スター誕生物語』(小学館/ゲームブック)

 

これらコミックスの中で、『あの空に打て』 のみが、貸本末期時代に出版された初期作品集で最も古い物ですが、少女漫画で珍しい競技や題材が描かれており、ソフトボールと走り高跳びを描いた2作品は、著作の中でも唯一の作品となっています。

 

『時のかなたに』 は、雑誌に読み切り作品で掲載され、1年ほど後に『地の底からの呼ぶ声は・・・』が、時のかなたにシリーズとして連載されました。コミックスには1話のみ併録された為、1巻の表記があります。ですが、結局2巻は出ませんでした。そのため『地の底からの呼ぶ声は・・・』は、2話から4話までの続きが未収録のままです。

 

灘しげみさんは、原点のスポーツ作品以外にもホラーやサスペンス、ラブコメ、ミステリー、SFなどのジャンルも描かれており、ご自身はSFモノが好きだったようで、著作の中で好きな作品として『時のかなたに』を1977年時点で挙げられています。1994年に執筆された最後の作品『異次元鬼光』もSFミステリーでした。

 

私も、ホラーやサスペンス、SFあたりが読んでて面白いなと思いました。

スポーツ以外の、ミステリーなどオカルト系をまとめたコミックスも出して欲しかったです。

 

皆様も機会がありましたら、御一読下さいませ。
 

ちなみに上の写真は、1976年8月20日発行の旧装丁『コートの嵐』3巻です。

この日に東京日本橋の三越本店でサイン会が有りました。

2日後の22日は大阪三越でもサイン会でした。

『栄光への出発』 が週刊少女コミックに連載中で、この時点では『あの空に打て』と『コートの嵐』全3巻の4冊しかコミックスが出てませんでした。

灘先生が雑誌デビューから、ちょうど丸8年あたりで、翌月20日に『栄光のストローク』1巻が発行された時期です。そして76年9月26日に故郷浜松の老舗書店でもサイン即売会があり、コミックス購入者で希望者には先生の原画プレゼントも有ったとの事です。

私が生まれる前の話なので、実際に現場に行かれた方の話を聞いてみたいものですね。

では、また次回作品紹介で。

 

まじかるクラウン Q1.ニックネームは?

ルガーノ

ラブ Q2.最近のマイブームは?

70年代に活躍した少女漫画家の灘しげみ作品を読むこと

バナナ Q1.好きな食べ物は?

洋の東西を問わず甘いもの好き。特にイチゴ

 

 

熊しっぽ熊からだ熊からだ熊あたまクマムシくん音符