原題:英語"Anatomy of a Fall" 
仏語"Anatomie d'une chute"
相も変わらず直訳タイトルだが、この映画はサスペンスではなく
法廷ゲームとその関係者の心理戦となる。

被害者は夫、被告は妻、弁護側証人は、唯一の「見てはいないが聞いていた筈だが証言が変わってしまう」視力障碍の長男。

検察検事は例によって、心の傷を暴き立て、言葉尻を
逃さず、とにかく被告を罪におとしめようとし、弁護側は懸命に防御する。

で、
見ていて、思い出したことがある。
息子に「一生に一度ぐらい実際の法廷を見たほうが良い」と言われ、さればと大阪地裁に足を運んだ。
たまたま入った事案は、高齢の夫が、妻を絞殺し、弁護側証人として長男が出廷、証言するという映画以上の審理だった。
裁判員制度での審理だったが、あまりの濃い内容で閉廷前に出てきてしまった。


パルムドール受賞の映画ながら、
やや冗漫な展開の映画であったが、特に感心したのは
犬の演技だ。

犬の演技!?と思うかもしれないが「犬の演技」なのだ。

この犬は、パルムドールならぬパルムドッグなる賞を受賞したとか。



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