アブラヴァネルによる最初のステレオ録音が世に出て半年もしないうちに、バーンスタイン盤がリリースされました。
レナード・バーンスタイン指揮/ニューヨーク・フィル（1965年12月14日、15日録音）
米COLUMBIA M2S 739(1966年9月リリース)
曲名表記の部分の拡大
英CBS S72427-8 (1966年リリース)
曲名表記の部分の拡大
実にシンプルにSymphony No,7とだけ書いてあります。
マーラーの交響曲第7番の最初のステレオ録音は、モーリス・アブラヴァネル指揮のユタ交響楽団によって行われました。
資料によると、1964年12月に録音され1966年2月にVanguardから（米）、同年7月にPhilipsから（欧）出されていますが、このLPに関しては今まで現物に出会ったことがありません。ですから、曲名表記がどのようになっていたのか確認できていません。現物をお持ちの方がいらっしゃいましたら、ぜひともご教示いただきたく存じます。
この録音の国内盤は次のものです。
ヴァンガードレコード SH 5234/5
発売元はキングレコード株式会社
フクロウ写真＝財団法人東京動物園協会提供 とあります。
このレコードが発売されたのが1966年のことですから、ロスバウトとシェルヘンのレコードが出てから13年間の空白があったことになります。
その間にロスバウトとシェルヘンのレコードが各国でいろいろな形で再発売されていますが、特にシェルヘンのレコードによってこの曲は聴かれていたのではないかと思われます。
この13年間レコードはまったく出なかったのですが、CDの時代になってから、この頃の演奏の記録がいくつか日の目を見るようになりました。それもロスバウトとシェルヘンのものばかりなのは非常に興味深いことだと思います。
ロスバウトの南西ドイツ放送局に残されていた録音が次のものです。
ハンス・ロスバウト指揮/南西ドイツ放送交響楽団
独WERGO 286 406-2（1957年2月18～20日録音）
シェルヘンの録音は少なくとも以下の３種類が80年代末以降にCDで出されています。
ヘルマン・シェルヘン指揮/ヴィーン交響楽団
独ORFEO C279 921B（1950年6月22日、ヴィーン楽友協会大ホールでのライヴ）
ヘルマン・シェルヘン指揮/ヴィーン交響楽団
伊ASdisc AS 302（1960年のヴィーンでのライヴ）
このASdiscのCDのケース裏面にある演奏時間の第5楽章の表示が14分59秒となっていて、いくつかの資料で、この数字がそのまま使われ、「驚異的な最速」の演奏のように思われていますが、単純な誤植で、正しくは15分59秒（それでも十分速いのですが）です。
同じものが次のような形でも出ています。
伊legend LGD 131
シェルヘンにはもう一つ晩年の次の録音があります。
ヘルマン・シェルヘン指揮/トロント交響楽団
米MUSIC&ARTS CD-695 （1965年4月のライヴ）
この演奏は全曲で70分を切っています。たぶん録音の形で残されたものの中では最速のものになると思います。
2番目のLPにあたるシェルヘンのウエストミンスターからの再発売盤と、ドイツで発売されたヘリオドール盤のジャケットです。
米Westminster XWN 2221 1957年7月リリース
独Heliodor 479 054-5
イギリスではニクサから出されました。
WLP6211
1954年7月にリリースされています。
この時代のイギリスのセット物はペラジャケットに1枚ずつ入っています。
このジャケットは現在CDに復刻されています。
英ニクサ盤シェルヘンの第7番
HMVへ
ロスバウト盤が出された直後に二番目のＬＰが出されてます。
ヘルマン・シェルヘン指揮/ヴィーン国立歌劇場管弦楽団
米Westminster WAL 211(1953年5月リリース)
ケースもレーベルも"Symphony No.7"とあるだけです。
マーラーの交響曲第7番は、SPの時代にはレコードは出されませんでした。
1953年に出されたこのLPが最初のレコードということになります。
ハンス・ロスバウト指揮/ベルリン放送交響楽団
米URANIA URLP405（1953年4月リリース）
曲名の部分を大きく写してみました。
ケースにもレーベルにも"Song of the Night"という表記があります。