参拝日 2024年4月23日(火)

 

半田市亀崎の神前神社から5分ほど歩くと東光寺があります。浄土宗のお寺です。

 

途中亀崎の山車(だし)を納める蔵がいくつかあります。山車祭りの盛んな場所を感じます。

 

さて、東光寺は亀崎の高台にあります。隣には亀崎小学校があり、子供たちのにぎやかな声が聞こえてきます。

 

 

入口付近

 

細い坂を上っていくと、珍しい赤い門がありますが、これは門ではなく燈明台と呼ぶそうです。

 

確かにこの台の上の方は燈を灯すようになっています。

 

 

赤い門を過ぎると菩提樹が受けてあります。珍しいですなあ。

 

お釈迦様がこの木の下で悟りを開いたことで有名です。

 

 

石柱の門を入って行きます。

 

 

左に鐘楼があり、その前にはローソクと線香を供えるようになっています。

 

 

そのローソクと線香を立てる台の屋根に念仏と「追弔和讃」が彫られています。

 

 

前半に念仏があり、その中に下記の語句

 

一佛成道 観見法界 草木国土 悉皆成仏

 

草木や大地のように心がないものも仏性を有することで仏になるということ。

 

大乗仏教の根本の教えです。

 

 

追弔和讃

 

人の此世は長くして 変わらぬ春と思へども

はかなき夢となりにけり あつき涙の誠心を

みたまの前に捧げつつ 面影しのぶも悲しけれ

思ひ患う事もなく 永久(とこしえ)かけてやすらかん

 

高野山金剛峰寺のYou Tubeによると葬儀や法要時に供養のために詠われるそうです。

 

ただし、作者は不明のようです。

 

 

年弘法

 

このお寺の見どころのひとつは、年弘法と言って、1歳から62歳の62体の像がまつってあります。

 

しかし、昭和20年の三河地震でお堂が倒壊し、現在は45体が残っています。

 

名古屋の覚王山の日泰寺の近くのお寺にも年弘法はありましたね。

 

 

年弘法堂は閉まっていますが、下記のように開けて見ることができるので、開けさせてもらいました。

 

 

45体の弘法さん。見事です。

 

 

向かって右の端の上の方に赤ちゃんの弘法さんがいますが、写真では見にくいです。

 

 

そして左側。

 

 

最前列におもしろい弘法さん。

 

口と両手足に全部で5本の筆を持っておられます。一度に筆を動かして詩を書いたという伝説に基づいています。

 

 

三体大師

 

次に隣の三体大師堂。

 

こちらも開けたら閉めるように貼り紙があるので、開けさせていただきました。

 

 

左から順に厄除大師、日限大師、招福大師。

 

日限大師とは、聞きなれませんが、願い事を何日までにと日を切ってお願いする大師だそうです。

 

ご本尊?

 

大師さんをたくさん見て納経所へ御朱印をいただきに行きます。

 

 

納経所はベルで呼ぶのではなく、戸を開けられるようになっています。

 

開けて見ると・・。

 

ご本尊の阿弥陀如来様がいらっしゃいますびっくりマーク

 

大師さんばかりに気を取られて、ご本尊のことを忘れていました。

 

よく考えたらこのお寺には本堂がないですなあ。

 

もしかしたらこの納経所が本堂であったのでしょうか??

 

三河地震でお堂が倒壊した影響でしょうか??

 

ちなみに三河地震の前月には東南海地震が起きています。

 

 

とにかく、南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏🙏

 

御朱印はセルフになっています。

 

手を汚さないようにティッシュペーパーなども置かれています。

 

 

自分で御朱印を押しましたが、真ん中の丸い円は向きがあっているのかなあ?

 

何て書いてあるのかさえわかりません。

 

 

最後にお寺を後にしようとしたら、最初に見た燈明台に法然上人の歌が書いてあるのを発見びっくりマーク

 

 

月影の 至らぬ里は なけれども 眺むる人の 心にぞすむ

 

「月影」は月の光の意味で、分け隔てなく照らされているが、それを見る人にしかわからない、つまり

阿弥陀様の光明届いているが、念仏(南無阿弥陀仏)を唱える人に作用する(救い取る)、というような意味です。

 

 

このお寺は見るべき像が多かったです。それに浄土系のお寺は好きです。

 

なお、このお寺は、半田市亀崎月見町というところにあります。

 

前回神前神社のところで書きましたが、大正天皇の屏風に亀崎の月が使われたように、景勝地です。

 

神前神社より高台にあるので、さらに美しく海と月が見えるものと思います。

 

法然の月の歌ともマッチしているかも。

 

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

【参考文献】

 

「半田のお寺」(半田市仏教会 1982年)

 

「決定版地図ガイド 知多四国巡礼」(歴遊舎 改訂版2013年)