今回取り上げる本は、「入江泰吉 万葉花さんぽ」です。
写真:入江泰吉、文:中西進
小学館文庫
222ページ
2003年
900円(税別・購入時の価格)
読んだきっかけ
以前から万葉集の本を少し読んでいましたが、新聞にこの本の宣伝が掲載されていて面白そうと思い、久しぶりに万葉集の本を選びました。
特に大和の写真で有名な入江氏と万葉集で有名な中西氏のコンビに惹かれました。
また最近は宗教関係の本ばかり読んでいたので、気分転換にもよいと考えました。
内容
万葉集の中でも花🌺について詠まれた歌を集め、中西氏の解説と、入江氏の花の写真で飾られています。
また、春・夏・秋・冬の季節ごとに章がたてられています。
大和は京都と違って、昔ながらの風景が残っていてよいですね。
特に大和三山のあたりは大好きです。
(京都は京都でよいところがありますが・・)
万葉集は解説がないと表面的な理解に終わってしまいます。
中西氏の解説はわかりやすいです。
例えば、志貴皇子の下記の有名な歌
石ばしる 垂水の上の さ蕨の 萌え出づる春に なりけるかも
(巻八-1418)
蕨を見て春がやってきた喜びを歌ったものと単に解釈します。
しかし、解説によると、「蕨」でなく、「さ蕨」として歌われていることに着目。
「さ」は神聖なものにつけるものだが、「蕨はしばしば、生命の伸長を示すものと見られていたからである」、
蕨の芽がくるくると巻いたようになっているのは、「生命が無限につづくことを願った祈りの文様である」とのこと。
ここまでは気づきません。
また、山上憶良の下記の秋の歌に発見がありました
萩の花 尾花葛花(くずばな) 瞿麦(なでしこ)の花 女郎花(おみなえし) また藤袴 朝貌(あさがほ)の花
(巻八-1538)
秋の七草は、山上憶良の歌に由来するそうです(ほとんどの人は知っているのかなあ)
ちなみに「朝貌」は、今のききょうに相当するそうです。
私が住んでいるところは、2月末ごろから鶯や雉が鳴き始め、季節が感じられます。
10日ほど前の写真ですが、ウォーキングコースに蕨とつくし(写真の右下)。
1本の木に白と紅の花が。最初は桜かと思っていましたが、ハナモモの1種でしょうか。
車を運転している際、注意しているとこの花はよく見かけるようになりました。
畑にはキジが。
3月は寒くて冬みたいでしたが、4月になって暖かくなった、というよりもう夏になったのか?と思えるようになりました。
暑くなる前になるべく外にでかけようと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。