西村さんが
遠くでリコーダーを吹いている。
わたしは
ベッドに横になって
ぼーっとブログを書きながら
その音を聞いている。
外からは
お隣の工事の音と
作業中の人たちの声が聞こえる。
クーラーが効いていて
適度に静かすぎず
生成りの麻のシーツは
めちゃ肌触りが良くて
ホテルよりは生活感があるけど
家よりも生活感がない
ような寝室。
片付ける気力がなく
この4日ほど散らかり放題になっていて
落ち着かない。
さっさと片付けて
スッキリすればいいものを
と思うのだけどね。
テレビの音が苦手すぎて
一日中テレビがつきっぱなし
ゲームの音が爆音で鳴りっぱなし
の
結婚生活に限界がきて3年前に離婚。
音のない生活がしたくて
家にはテレビもラジオもCDもなし。
音のなるものが一切ない。
という1人暮らしをしました。
今のお家にはテレビがありますが
朝ドラを撮りためて
西村さんが見るためのテレビ。
1日の稼働時間は15分です。
人間と暮らすのは
もう無理だと思っていたんだけど
西村さんは生活音がない。
気配すらなくて
誰もいないと思ってリビングに入ったら
そこにいてびっくり！
とか
背後にいると気づかずに
振り向いたらそこにいて
腰を抜かす！！
ということがよくある。
猫のようなわたしはとても怖がりで
少しの物音や
大したことないことにも
とても驚いてしまうので
西村さんは
わたしを怖がらせないように
わざと
ガチャガチャ
と音を立ててドアを開けて
帰ってきたのを気づかせよう
と
音を鳴らす努力をしてくれてるらしい。
一緒に暮らすようになって
3年経つのだけど
何かの用事で
3日も離れて暮らしていると
わたしはちゃんと
また西村さんに警戒する。
野良猫に戻ってしまうんだ。
ご飯をそこに出されても
西村さんがそこに座ってたら
まずは遠くから眺めてみて
安心そうだなと思ったら
少し近づいてみて
安心そうだなと思ったら
遠くから匂いをかいでみて
安心そうだなと思ったら
ご飯を食べてみて
西村さんがそろそろなれたかな？
と撫でようとすると
びっくりして逃げて行って
また遠くから様子を見て
少し近づいて
匂いをかいで
ご飯を食べてみて
西村さんの手に乗ったごはんも食べて
やっと撫でても逃げなくなる
やっと手がつなげるようになる
そんなことが
しばらく留守をするたびにおこります。
猫には
人よりもたくさん気になることや
嫌なことがあって
踏まれたくないことがたくさんあって
猫と暮らすのは
とても神経を使うと思うのだけど
いつも静かで穏やかで
優しく見守ってくれてます。
西村さんは
よく地雷も踏むけど
よく理解しようとしてくれてるので
わたしは
嫌なことをされるのを
諦めたり
なかったことにせず
根気よく毎回怒ります。
わたしが怒っても怒っても
投げ出さず
放置せず
平気で撫でにくるので
西村さんはきっと
見えない引っかき傷だらけです（笑）
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