目覚ましく発達をしていく人工知能ですが、「期待できるか? 脅威と感じるか?」と聞かれれば私は期待できると答えます。

 

世の中では人工知能に関する危険性みたいなことを言われることがあります。例えばスティーヴン・ホーキング博士が「人工知能の発明は人類史上最大の出来事 だった。だが同時に最後の出来事になってしまう可能性もある」というふうにおっしゃっていたようです。また、イーロン・マスクも、AIが悪魔を呼び出すようなものであると。ビル・ゲイツも、「これは確かに不安を招く問題だねと。よくコントロールできればロボットは人間に幸せをもたらせる。しかし数年後、ロボットの知能は十分に発展すれば必ず人間の心配事になる」というふうにおっしゃっています。

僕が思い描いてる人工知能の未来は、人間の知能を強化することです。

攻殻機動隊の電脳化が理想

だから、機械が悪意を持って人間を操作するではなく、心配すべきは人間の悪意のほうだと思います。

人工知能の目的は我々が与えます。目的の与え方によっては、何をするかわからない。悪意を持った人が悪意ある目的を入れてしまったら、確かにロボットはそう動いてしまうでしょう。そうしたときに、今みたいに例えばウイルスが出てくればウイルスソフトが出てくるみたいないたちごっこでは済まなくなってくる。

 

 

または、AIは「人間の特定の動作や手法をまねて、それを非常にうまくやる」方向で進化を続けると考えられます。統合的な知性という観点ではより人間らしく なるものと思われますが、そうはいってもコンピューターですので、計算で解決可能な特定分野では圧倒的な強みを発揮すると思われます。例えば、将棋でも トップ棋士がコンピューターに負けたニュースをご存じの方も多いと思います。

そんな状況で、羽生さんが非常に面白いことを仰っていました。

問い:「人工知能が将棋のすべてを解明してしまったらどうするのですか?」
羽生さん:「そのときは桂馬が横に飛ぶとか、ルールを変えてしまえば良いんです」

これは非常に本質的な答えだと思います。 コンピュータはルールは作れない。人間は人間にしか出来ないことをやり続ける限りコンピュータと共存できる。逆にいうと機械にできることだけをやっているとダメ
相手はコンピューターですから、将棋のように特定のルール下で大量の計算を行うゲームでは今後も強みを発揮すると考えられます。
ですが、先人が到達していない新たな領域を開拓したり、全く異なるルールを突然生み出すこと、かなり長い間AIには実現できないと考えられる。逆に言えば、人間の仕事、役割はAIの進化とともにこの方向性にシフトしていくと考えられ ます

 

AIは間違いなく、かなりの数の人間の仕事を奪います。ですが、誰でもできる仕事が機械に置き換えられ、より創造性を求められる仕事に沢山の人がチャレンジしたり、哲学的な問いへの探求が重要になったりといった、人間らしさが深まる可能性も大いにあります。
技術の変化は不可逆的なものですので、私たちはこうした変化を受け入れ、楽しんで、より人間的な活動に人生の時間を使う姿勢が重要だと考えます。

 

または、

  AIは人間が頭を使って行う行動を人工的に再現したものです。例えば人の感情を認識したり、人の典型的な行動パターンを抽出したり、ひいては運転や介護、 翻訳なども行えるようになると考えられています。大手企業は、これらAIの機能を利用したシステムを既に取り入れる動きを見せています。通信大手のソフト バンクは人工知能搭載ロボット「Pepper」を開発。そしてグーグルは人工知能の運転技術を利用した自動車などがその最たる例です。
先述の通り、人工知能は私たちの暮らしに既に根付いてきているといえます。また単純作業のレベルから、自動的に判断する最高峰レベルまで、いくつかの段階 が存在しています。例えば画像の認識精度が高い初歩的なレベルでは、広告の分野で、どんな人が何の画像をいつどこで見ているかなどのデータからマーケティ ングの精度を上げることができます。前述の「Pepper」は、人間の感情を理解したり行動を予測できるレベルで、防犯や監視なども得意としています。さ らに高度になると自動運転や農業を自動化できるようになります。
このように単純作業や正確性が求められる仕事、マニュアルが存在する業務はAIが代わりに行うことができるといっても過言ではありません。一例としては、 スーパーやコンビニのレジ、データ入力作業、パソコンを使ったデータ収集・分析、娯楽施設の案内、銀行の窓口業務、商品の検品・補充、警備の仕事などが該 当します。ということは、私たちに取って代わられる可能性が高いということです。では、将来はAIが私たちの仕事を奪ってしまうのか、というと一概には言えないのです。
単純作業から高度な判断までAIがまかなえるとはいえ、人工知能を支配するのは人間です。それはAIの使い方によって携わる仕事の質が変わるということで もあります。仮に企業の管理職が部下を監視するためにAIを利用すれば、管理職は部下に対してメンタル面でサポートを行うなど、機械の予測がつかない点で 活躍することができるでしょう。これからの人間の仕事は、より人間性や教養が必要な仕事に変わっていくと言えます。